新体操W杯ロシア大会レポート1
現地9月5日、新体操W杯ロシア(カザン)大会初日は、国際トーナメントとW杯個人総合前半が行われた。
<個人総合前半/フープ・ボール>
世界新体操選手権イズミール大会を前にした最後のW杯ということで、個人総合争いは非常に白熱した戦いとなっている。参加選手は地元ロシアのオープン参加選手を含めて42名。そのほとんどの選手が16点台、しかも16点台後半に乗せる選手が多くなってきた。
そんな中、第3グループの試技順トップに出場した皆川夏穗は、フープもボールも落下ミスはなく、ていねいに演技した。フープでは足持ちのローテンションが、ボールではパンシェのローテーションの軸がずれたが、最後までふんばった。フープ16.700 ボール17.000 前半14位
一方早川さくらも、落ち着いた、そしてのびやかな演技を見せた。彼女が持つ独特の色香も放ち、フープは17.100、ボールでは自己ベストの17.300をたたきだして、現在9位につけている。
前半トップに立ったのは、ロシアのMamun。ここ最近の大会はミスが続いていたが、この日のMamunは気迫のある演技で、観客を魅了した。フープ18.900、ボールはなんと19.000で、2位のKudryavtseva(ロシア)に0.6差をつけている。
Kudryavtsevaも決して悪くはなかった。フープの出だしで、ジャンプのくぐり抜けからダイレクトで投げる技を抜いたり、ボールのパンシェバランスが、若干キープが甘くなったと思われるが、フープ18.600、ボール18.700で普通ならトップでいられる点数である。
しかし今日はMamunの出来が良すぎた。正確無比なKudryavtsevaと、これでもかと感情を表現するMamun。それぞれに自らの良さを出し尽くしているので、後半戦も楽しみである。
3位にはベラルーシのStanioutaがつけている。Stanioutaもこのところ大きなミスが続いていたが、今日はボールの出だしのピボットが決まると、あとはもう乗りに乗ってダイナミックな演技を繰り広げた。
2種目とも18点台に乗せ、4位のSon(韓国)との差を0.8としている。Sonも相変わらず、プログラム通りの実施減点の少ない演技を見せているので、メダル争いも面白くなってきた。
<国際トーナメント>
国際トーナメントにはアジア競技大会日本代表の河崎羽珠愛が出場した。
参加選手は12名(内ロシア選手6名)と少ないが、力のある選手たちばかりであった。
そんな中、河崎は幾度も国際大会を経験しているかのような落ち着きを見せた。特に前半の2種目(リボン、フープ)はアチチュードローテーションの足の揺れがあるぐらいで、曲の表現もしっかりしており、2種目とも16点台に乗せた。後半のボールで、操作ミスから転びそうになったり、クラブではわずかな落下ミスもあったが、全体的には自分のやれることを存分に発揮したと思う。ボール以外の3種目で16点に乗せられたことは、大きな収穫であった。
明日は個人総合後半と団体総合が行われる。
レポート 山﨑浩子