新体操W杯ブルガリア大会現地レポート

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現地8月9日、W杯新体操(ブルガリア)ソフィア大会初日は、個人総合と団体総合が行われた。

<団体総合>
団体総合は20ヵ国が参加。世界選手権が近くなり、強豪国もロシア、イタリア、ブルガリア、ベラルーシ、スペインがこぞって参加し、世界選手権さながらの熱い戦いとなった。

日本(フェアリージャパンPOLA)はボール&リボンから。パンシェバランスで、ボールで身体を支える形となってしまい、大きな減点が予想されたが、D8.550、E8,550。これまで非常に評価されてきた作品であるが、この日も17.100と、高い評価を得た。キャッチの移動が少なく、美しい動きに少しずつ磨きがかかってきた感がある。

クラブでは、出だしがややこぢんまりとした感じであった。交換の投げが大きくなり、落下。しかし、その後は大きく乱すことなくどうにか踏ん張った。D8.500、E8.350で16.850。2種目の合計では33.950で、6位となった。

6月下旬に松原がリフトの着地でのアクシデントにより足を故障。思ったより重傷であったため、松原を入れての通しはほとんどできない状態で1ヶ月間の練習を行った。松原は淡々とリハビリを行い、その間、他の選手は基本トレーニングの徹底をして、美しいラインが出せるように練習をしていった。松原を入れての練習ができ、しかも松原がすべての難度がこなせたのは試合直前。間に合うかどうかわからない中で練習を続けてきたが、山本トレーナーの計画的なリハビリにより、どうにか間に合わせることができた。

松原の故障により、2種目の出場は無理と判断し、クラブのメンバーも変更。横田はポジションを変更し、これまではクラブには入っていなかった杉本がクラブの種目に入ることになった。この種目も不安要素はあったが、どうにか乗り切ったと言えよう。今後はより難度の精度、動きの精度、投げ受けの精度を上げ、またサブメンバーの底上げもしていかなければならない。

1位はロシア。ボール&リボンでは連係に落下があったが、大きく乱れることはなく、身体能力の高さを見せた。クラブ18.000 ボール&リボン17.800 計35.800

2位は地元ブルガリア。どちらの種目も声援に後押しされて、迫力のある演技を見せた。わずかに連係に乱れがあったことと、キャッチに移動はあったが、それを打ち消すぐらいのパワーがあった。クラブ17.700 ボール&リボン17.550 計35.200

3位はイタリア。キャッチ前の姿勢や移動等にきたなさはあるが、大きなミスはなく、複雑な連係をものにした。クラブ17.450 ボール&リボン17.350 計34.800

4位はスペイン。クラブではラスト近くの連係でポトリと落下。しかし全体的にはスピード感と緩急のある演技であった。ボール&リボンには大きなミスはなかった。クラブ17.450 ボール&リボン17.200 計34.650

5位はベラルーシ。ボール&リボンでは連係で落下。取り戻しが遅れ、1回目のジャンプターンが行えなくなった。また後半でも連係に乱れが生じ、16.900。しかしクラブでは美しいラインを見せて17.650。 計34.550

6位が日本で7位にはウクライナが入った。クラブでは1カ所落下があったが、ボール&リボンでは伸びやかな演技を見せた。クラブ16.750 ボール&リボン16.950 計33.700

8位は中国。クラブではキャッチの移動もほとんどなく、多彩なリフトで観客を魅了した。17.050。ボール&リボンもほぼミスはなかったが、ポーズ前のリフトで乱れが出て16.600 計33.650

中堅国のアゼルバイジャン、ドイツは両種目ともミスが多く、上位に食い込むことができなかった。同じく中堅国のイスラエルは、天候の関係で空港で足止めを食い、参加できなかった。全体的にはどの国もミスが少なくなってきており、これからはひとつのミスが命取りになってくるであろう。

日本(フェアリージャパンPOLA)出場メンバー
クラブ:畠山愛理、杉本早裕吏、国井麻緒、熨斗谷さくら、横田葵子
ボール&リボン:畠山愛理、松原梨恵、杉本早裕吏、国井麻緒、熨斗谷さくら

<個人総合>
日本からは特別強化選手の早川さくらと皆川夏穗が出場予定であったが、皆川は足の故障からの回復が遅れて欠場。代わりにブルガリアで練習を積んでいた世界選手権日本代表選手の三上真穂が急遽出場することになった。

その三上は最初の種目クラブではイタリアンフェッテで弾んでしまったことと、DERで落下があった。その他の種目は、ローテーションでの回転不足等はあったが、現段階でできることはやれたと言えよう。フープ15.700 ボール15.800 クラブ14.800 リボン15.300

早川はフープの種目ではアチチュードのローテーションで弾みがあった。他のローテーションでも回転数の不足があり、D8.000 E8.200 16.200。ボールはころがしで落下し、クラブではDERで落下。リボンでは身体にリボンが近くなり、身体にからむ場面があった。ローテーションを除いては、難度の精度はよく、またスピード感は出てきているだけに、惜しいミスが出た。良くなっている部分と、改善しなければならない部分があるが、特にリボンに張りがないのが課題であり、リボンの描き方の改善を行わなければならない。フープ16.200 ボール16.550 クラブ15.850 リボン16.150

明日は種目別決勝が行われ、日本の団体は両種目ともに出場する。