新体操W杯イタリア大会レポート1

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4月11日、イタリア・ペサロにてW杯ペサロ大会が開幕した。
大会初日に行われたのは、団体総合前半(クラブ10)、個人総合前半(フープ、ボール)、そして国際ジュニアトーナメントである。
<団体総合前半>
 まず、先週のW杯リスボン大会において、ボール&リボン優勝を成し遂げた日本(フェアリージャパンPOLA)は、今日のクラブの演技でも落下ミスなど大きなミスがなく、17.133で3位で折り返した。多少疲れがたまってきているのか、四肢の姿勢欠点やフォーメーションが小さくなっているところがみられた。またパンシェターンの回転数が少なくなり、手具操作が行われないうちにパンシェターンが終わってしまったところもある。が、全体的にはよく踏ん張り、D8.600、E8.533、合計17.133。リスボンでのボール&リボンに続いて、クラブも17点台に乗せた。大きな失敗をしなければ、17点に乗るという印象は、強く植え付けられたように思う。
前半を1位で折り返したのは地元イタリア。交換に移動はあったが、落下ミスはなく歯切れの良い演技をした。D8.850、E8.900、合計17.750
2位はブルガリア。やはり交換の移動はあったが、落下はなく、安定感のある演技をした。D8.650、E8.600、合計17.250
3位が日本で、4位がベラルーシ。交換の移動やDERでの落下、後半は少しバタバタとした印象となり、D8.600、E8.366、合計16.966。
5位イスラエル、6位ウクライナ、7位アゼルバイジャン、8位スイス・・・と続いている。
イスラエル、ウクライナ、スイスは落下ミスなし。スイスは初顔合わせであったが、以前にも増して強さが出ている感じがした。
ギリシャは交換や連係で落下があり、また全体的に動きが堅い印象で、D7.600、E7.866、合計15.466で11位。
フランスは交換で落下し、場外。またも交換が大きく乱れて、落下とともに選手同士が接触。次には落下したクラブを拾っていたら一人の選手がフェッテピボットの入りに間に合わず、ひとつもフェッテを入れずにポーズでフェッテが終わるのを待ってしまうなどの大きなミスが出た。D6.750、E6.800、ペナルティ0.3、合計13.250で18位。
日本は、強豪ベラルーシを抜いて3位で折り返した。リスボン大会は8ヵ国の参加しかなかったが、今回はロシアを除く強豪もそろい、19ヵ国の参加があるだけに、ひとつでも多くの強豪を倒していきたいところである。
<個人総合前半>
皆川夏穗は、リスボン大会よりずっと動きが大きくなり、非常にエネルギーのある演技をした。ただフープでは勢いがよすぎて、MGキックの難度の時のフープが流れてしまった。またしか反りのジャンプターンでの転がしキャッチも、フープが勢いよく飛びすぎて、身体を転がさずにキャッチ。難度のミスが出て、16.183。
ボールは、足持ちローテーションの軸の乗りも、リスボンより格段に良く、16.850の点数を得た。
今季2戦目の早川さくらは、フープではアチチュードローテーションの終末が流れたが、非常に華やかで魅力的な演技を行った。リスボンの大会より、精神的にも上向きになっているようで、実に楽しそうに演技していたのが印象的であった。16.466
ボールでも特に目立ったミスはなく、16.600。早川も16点台中盤に乗せてきた。
二人とも、エネルギーという点では、リスボンより数段階アップしている。あとはどう4種目を粘りきれるかが、上位に食い込むための鍵であろう。
前半を1位で折り返したのはロシアのKudryavtseva。ローテーションの回転数が(特にアチチュード)足りない箇所はあったが、フープもボールも、いつ投げるか、いつ転がすかまったくわからない。いつの間にか、手具があちらこちらへと運ばれているのには驚かされる。ボールでは少し大人っぽい表現もできるようになっており、これから技だけではなく、表現にも力を入れていくのだという意思も見えた。
2位は同じくロシアのMamun。ボールの転がしでポロリと落下があり、フープでも多少のもたつきはあったが、予備動作なしの手具の投げ上げや、考えられない部位の転がしなど、見応えのある内容であった。
3位にウクライナのRizatdinovaがつけている。
<国際ジュニアトーナメント>
立澤孝菜はボールは非常に落ち着いて演技していた。13.966。フープでは出だしのフープ操作に手間取り、バランスでは手を床についてしまって13.083。しかしミスが出ても、消極的になる感じはない。
喜田純鈴は、ボールでは転回しながらの足蹴りで大きく移動。アチチュードローテーションでも足が下がってしまい、13.183。フープでは、細かい操作のもたつきはあったものの、やっと弾けるような演技ができて14.166。
二人とも試合になれてきた感があり、ひとつずつ経験を積むごとに良くなっていく道筋が見えた。
明日は後半種目が行われる。
山﨑浩子