新体操W杯ポルトガル大会レポート2
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4月4日、W杯リスボン大会2日目は、国際ジュニアトーナメントの後半種目(クラブ、リボン)と個人総合前半種目(フープ、ボール)が行われた。
<国際ジュニアトーナメント>
ユースオリンピック出場予定の立澤孝菜は、今日も落ち着いた演技を見せたが、クラブでは、一箇所もたつきがあり、ラストのDERも瞬時に処理したが落下となってしまい、12.600。
リボンは、リスク時に投げすぎて走ってキャッチとなったが、難度には伸びやかさがあり、13.600。ジャンプの開脚度も申し分なかった。
一方、喜田純鈴のクラブは、投げて転回をしながらの背面キャッチで、一本を落下。座での動きの最中も一本を離してしまい、12.450。リボンでは投げが真上に上がり、DERをやらない箇所があり、またリボンの裾が場外に出たため、落下は回避したが12.500。ジャンプの開脚度も少々足りないように感じた。結果、39人中、立澤が13位、喜田が14位となった。
13歳の喜田はジュニア選手になったばかりで、今大会が国際大会デビュー戦。緊張の中で、喜田本来の力は出し切れなかったが、小気味よい動きとスピード感のあるパンシェターンには、会場からも拍手がわいた。試合を経験する中で、動きやジャンプに伸びやかさが出てくれば、もっと評価も高くなっていくだろう。
立澤も、演技が小さくなっている感じはまったくしないので、立澤が持っているしなやかさや伸びやかさに加えて、スピード感が増してくると、もっと良くなっていくと思われる。
ともかくも大きな舞台をひとつ経験し、「世界の中の自分」を感じたことが、より大切なことである。
<W杯個人総合>
足の故障でモスクワグランプリを欠場した早川さくらは、今季初のW杯出場。ボールでは、出だしのMでバウンドが強すぎ、キャッチに手間取った。しかし、そのほかはうまくまとめ16.350。以前より、スピード感が出てきた。
フープも美しい動きを見せていたが、バランスで手をついてしまい、15.550。
皆川夏穗は、モスクワグランプリのときより動きに大きさが出てきて、フープも強さを感じさせる演技だった。ラストの足持ちのローテーションが跳んでしまい、16.550。
ボールでも出だしの足持ちローテンションが跳び、高い難度のバランスの前に手を床についてしまった。それでも落下は回避し、16.550。ミスが出ても16点台中盤をキープできるようになってきたのは頼もしい。
難度全般に安定してきたが、足持ちローテーションに安定感が出てくれば、もっと得点が伸びていくだろう。
また早川も皆川も、高い点数を得られるバランスでミスをしているので、そのあたりの難度の入り方が重要である。
前半種目を終えて、皆川が9位、早川が17位に位置しているが、後半種目をきっちりとやれば入賞も射程距離である。二人とも、着実に成長しており、コンスタントに力を出していければ、「かほ」「さくら」の名前が世界で知れわたっていくことになる。
前半トップに立ったのは韓国のSon。
両種目ともミスがなく、実施においても減点するところがないという印象である。
モスクワグランプリの前に見たときには、少し筋肉もたるんでいる感じであったが、今大会はきっちりと調整し、エネルギーも情感もあふれる演技であった。
2位はベラルーシのStaniouta。
若干、難度の後始末が悪い箇所や、フロアーの使い方が悪い箇所もあったが、ミスなくまとめた。
ロシアのTitovaとAverinaは落下ミスや、手具操作にもたつく場面があり、3位と4位で折り返した。
そのあとにアゼルバイジャンのDurunda、スペインのRodriguezと続いているが、ロシア勢が若手であるだけに、Sonがこのまま金メダルを獲得する可能性も高い。
そして皆川、早川が、どこまで順位を上げることが出来るのか、明日も楽しみである。
明日は団体総合後半種目(ボール&リボン)と、個人総合後半種目(クラブ、リボン)が行われる。
Hiroko Yamasaki