新体操コントロールシリーズ第2戦報告

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3月8日(土)、味の素ナショナルトレーニングセンター2F共用コートにおいて、コントロールシリーズ第2戦が開催された。

世界選手権個人代表には特別強化選手の皆川夏穂、早川さくらが決定しているが、残りの出場枠が最終決定競技会で選出される。昨年の全日本選手権大会で選考された10名の選手は、3回のコントロールのうち少なくとも2回戦い、最終決定競技会に駒を進める。選考基準は、出場したコントロール中、3種目(4種目中)スコアからベスト2(戦)の上位6名と、フープとボールの2種目合計ベスト2の上位6名の選手である。何名の選手が最終決定競技会に駒を進められるのか楽しみである。

全体的な印象として、第1戦と比較すると大きな落下ミスが少なくなったこと、難度の精度が上がったこと、新しい演技プログラムに挑戦している種目は、作品のコンセプトが見え始めたことを感じた。

今回、3種目合計1位となったのは、前回のシリーズを怪我で欠場した山口留奈選手であった。1種目目のフープでは緊張のせいか手具が手につかない印象を受けた。マステリーでミスが生じ、身体難度もいつもの切れのよさはなかった。得点12.650点。しかし、次のボールでは昨年の全日本選手権女王の意地を見せ15.250点。そこから波に乗り、次のクラブでは安定感のある演技で今回最高得点の15.600点。リボンもヴォーカル入りの音楽にのせて女性らしい作品を演じた。

1戦、2戦の3種目と2種目合計で首位についたのは、三上真穂選手であった。動きの大きさとダイナミックな技のこなしに定評のある三上選手の安定感ある演技は観客を沸かせた。手具操作が流れの中で自然に行われ、DERの受けのタイミングは見事でありとてもスムースであった。さらに身体難度の精度が上がっていくことに期待したい。

前回との比較ではなく、世界で戦うことを視野に考えれば課題は山積である。動きの深さ、大きさ、滑らかさ、アクセントをさらにつけること、身体難度や手具操作の精度を上げること、個性豊かな独創的な演技など、どれを取ってもまだまだ及ばない。今回のコントロールではハッと目を引く演技に遭遇できなかったのが残念である。先日のモスクワグランプリでは皆川選手が16点台を出し、1年間のロシア合宿の成果が実り大躍進を遂げている。日本国内で強化されている選手達も追いつき追い越せと切磋琢磨して世界のレベルに近づいて欲しい。

報告 藤野朱美