第20回アジアジュニア新体操選手権大会レポート③

報告者:新体操強化本部長 村田由香里

大会最終日の今日は、個人種目別決勝と団体種目別決勝が行われ、日本チームはそれぞれ決勝進出を果たした。

【個人競技】
●フープ
井上結愛選手は昨日よりさらに緊張しており、スタートは動きの硬さもあり、パンシェのコンバインも踵をついての実施となってしまったが、その後からは予選よりも身体からエネルギーもあり、スピード感のある演技だった。終盤のパンシェターンで、フォームがブレてしまい耐えられず、お手つきという大きなミスをしてしまったが、すぐに切り替え、最後のシリーズまでしっかりと決めることが出来た。
フープ 24.45( DB 5.5 DA 4.6 A 7.15 E 7.20 ) 7位

●ボール
井上結愛選手は予選で決められなかったリスクもしっかりと決めることが出来、終始落ち着いて伸び伸びと演技をしている様子が見えた。パンシェターンもルルベの実施でキーブすることが出来、DBもとてもクリアで大きさのある演技であった。新しい作品であったが、細かい音の表現や空き手の使い方を工夫していくことで曲の良さがより出てくる演技になると感じた。
ボール  25.90( DB 6.8 DA 3.9 A 7.35 E 7.90 P 0.05) 6位

●クラブ
井上結愛選手は、予選よりもさらに生き生きとした演技をやり切ることが出来た。予選に乱れのあったリスクもしっかりと修正し、最後まで全身からエネルギーの溢れる演技であった。今回アジアジュニア選手権という大きな舞台を経験することが出来、選手自身も成長することが出来た部分、そして新たな課題を見つけることができた部分と、とても貴重な経験をすることが出来た試合となった。今後世界で活躍していくために、課題を改善できるよう、より一層練習に励んでいきたい。
クラブ 25.30(DB 6.0 DA 4.10 A7.50 E7.70)6位

●リボン
岡田心佑選手は一つ一つの技の確認を怠らないこと、平常心を保ちながら予選競技でのミスを挽回できるようにすることを目標に試合に挑んだ。本番ではリスクの距離に多少ずれがあったがうまくカバーし、落下はなくまとめることが出来た。しかし、もぐり回転のリスクの足に引っかける準備動作をやり直したため無駄な動きが入ってしまったこと、DAのらせん・蛇形の描きが正確さに欠けたため、DAの得点が伸びなかったことは悔やまれる。今後の課題として、身体難度の得点が上がるようにすることと、リボン以外の種目も演技内容を充実させ、正確な実施ができるよう努力していきたい。
リボン 25.15(DB 7.5 DA 2.3 A 7.60 E 7.75) 5位

【団体競技】
●フープ5
予選よりも良い演技をしたいという思いが選手から溢れ、序盤から動きが硬い演技となってしまった。2分半を通し落下はなかったものの、受けの追加価値が抜けた部分や、中盤にフープが接触し、成立しなかった連係がある。練習ではまとまるようになっていた種目だけに悔しさもあるが、落とさない、という強い意志が見えた1本であった。
フープ5 28.00 (DB 5.8 DA 7.8 A 7.40 E7.00) 3位

●クラブ10(2セット5組)
現地に到着してから終日の練習や大会が続き、体力や集中力のコントロールが難しいタイミングであったが、最後まで1つ1つやり切る、という思いで本番に臨んだ。
前転のシリーズをする連係で、1人がクラブを大きく投げ、受けが間に合わず落下。その後の複数投げの受けでも目の前にきたものを落下する形となってしまった。しかし、最初から最後までエネルギーが落ちることなく演技し、落下があった箇所以外の部分は大きな移動もなくこなすことができた。まとめられなかった悔しさはあったものの、この短期間で精度を上げて大会に臨めたことは選手たちの成果に値する。
クラブ10 25.35 (DB6.1 DA6.5 A6.95 E5.80) 3位

今回メダルを獲得できたものの、他国と比較し、動きの強さ、本番で出されるエネルギーはまだまだ不足している。日本の課題であるD得点を伸ばすためには、手堅く技をこなすだけでなく、基礎操作の徹底や、手具を扱うスピードをもっと上げていかなければならないと強く感じた大会であった。

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