新体操WCソフィア2024レポート
4月12〜14日、ブルガリアにて、ワールドカップソフィア大会が開催された。今大会は、個人シニア58名、団体16カ国が参加し、日本からはフェアリージャパンPOLA 団体チーム、喜田未来乃選手が出場した。
<個人総合 (4月12日、13日)喜田未来乃>
●フープ
DB.DAともに安定感のある実施であったが、ラスト、前方足投げリスクにおいて距離が長くなり、回転後くらいついたもののワンバウンド後のキャッチとなった。
演技全体において丁寧さは必要であるが、準備動作を省くことやフォームが見えるまでのスピードを増していくことは必須である。
●ボール
練習において、動きやDBの精度は徐々に上がってきていたが、前大会の課題であったバランスを注意するあまり、身体と手具のリズムが合わない場面が見られた。本番では、コンバイン難度(パンシェ)のつきにおいて、手からこぼれ落ちバランスを見せ切ることが出来なかった。その後大きなミスはなかったが、追加点をやりきれなかったこと、時間が足らずDAを抜いたことで、D得点を下げる形となった。
前大会よりも熟練度が増し動きにメリハリが見えるようになっていたからこそ、惜しいミスであった。
●クラブ
コンバイン難度(パンシェ)においてバランスを崩しクラブで支えてしまうミスがあったが、なんとか落下なしにおさえた。
投げ技をとる時など少し弱くなる瞬間があり、心情が見えてしまう演技であった。どのような時でも、終始作品のテーマを伝えられる表現をやりきることが課題である。
●リボン
後半DAの投げにおいて距離が出過ぎてしまったが、場外ギリギリでもとりのDAまで実施するなど、強さが見えた演技であった。国際大会でも見劣りしないインパクトのある演技にするためには、動きの緩急、強弱を明確にする必要がある。身体難度、動きともに、形になるまでのスピードを上げ、伸びやかな動きだけではないテクニックを身につけたい。
結果:個人総合24位
フープ 29.750(DB9.20 DA5.60 A7.75 E7.20)
ボール 29.650(DB 9.40 DA5.00 A7.85 E7.40)
クラブ 30.950(DB 10.60 DA5.30 A7.90 E7.15)
リボン 29.300(DB9.40 DA4.60 A7.85 E7.45)
<団体総合(4月12日・13日)>
●フープ5
前大会よりも、落ち着いた表情で一つずつの技を確実にこなしていった。
中盤、交換(転がしどり)において、若干投げが乱れたフープを取るタイミングが身体と合わず、落下-1.0の減点となり、その後2つの連係を抜かす痛いミスとなった。後半崩れることなく演技をこなし、前大会からの課題であった身体難度が評価されたことは自信に繋がる。確実に実力をつけ成長しているからこそ、何としてでもノーミスで演技し切ることが最重要課題である。
【出場選手】
鈴木歩佳
竹中七海
稲木李菜子
田口久乃
西村愛実
●リボン3・ボール2
動きの質、表現は以前よりもレベルが上がっているように感じられた。しかし、交換②前のはらいでリボンのすそが場外、続くリボンをボールに巻きつけ行う連係のほどきにおいて、いつもと持ち方が異なる形でリボンをほどいたことで、リボンが結ばれてしまった。その後、リボンを差し替えるタイミングが作れず、少しずつリズムが崩れたことでミスが相次いだ。
本番、予期せぬことが起きるのが試合である。どのような場面でも冷静さを欠くことなく、強気で実施できるためにも、試合に繋がる練習を積むことが必要である。
ワールドカップバクー大会まで限られた時間ではあるが、この経験を最大限に活かし心技ともに自信を持った状態で試合に臨みたい。
【出場選手】
鈴木歩佳
竹中七海
稲木李菜子
田口久乃
生野風花
結果:団体総合 11位
フープ5: 33.250(DB 9.30 DA9.50 A 7.70 E 6.75)
リボン3・ボール2: 26.300(DB 6.40 DA 7.60 A 7.10 E 5.55 P-0.35)