ChacottCHAMPIONSHIPS第40回全日本ジュニア新体操レポート(男子)11/18

報告者:日本体操協会 男子新体操委員会

全日本選手権の激闘から3週間。興奮の余韻冷めやらぬ高崎アリーナにて「第40回全日本ジュニア新体操選手権大会」が11月18日(金)より開催された。初日は個人前半競技スティック、リングが行われ、全国各ブロックの代表選手たちが今年の集大成をぶつけ合う。

全日本ジュニア個人選手出場枠はまず、全国9ブロックに平等に3枠配当され、残りの20枠を昨年度全日本ジュニア成績上位20名が所属するブロックに分配される。ブロック配当の3枠も含め本年は、北海道5枠、東北6枠、関東8枠、北信越4枠、東海7枠、近畿3枠、中国4枠、四国3枠、九州7枠の合計47名が参加し本年度のジュニア王者を決することとなる。

昨年の1位~3位は全て中学3年生だったため今年は参加していない。4位の山本響士朗(Leo RG)、5位の吉澤昴(別府RGみやび)は昨年、中学2年生ながら上位入賞を果たした選手である。この二人を中心に今大会が進むのか?それとも、次世代の新星達が新たな風を巻き起こすのか注目の個人前半競技が始まった!

【個人前半】
第1位 山本響士朗(Leo RG)

昨年度個人総合4位から成長した姿を見せてくれた。
今年は東海ジュニアでも王者となり、優勝候補の筆頭として臨んだ本大会。B班の中盤に登場した山本の緊張感ある一種目目はリングからのスタート。自身の所属クラブの先輩、満仲進哉(2020年全日本選手権個人総合3位)から譲り受けた演技で挑む。ハイレベルな手具操作を小気味よいリズムに合わせて次々と技を決めて見事にノーミスで演じ切る。ジュニアでは15点を超えることが難しい中で15.250の高得点を出した。
2種目目のスティックでは一転、柔らかい雰囲気を漂わせる表現力を発揮し、昨年よりも磨きのかかった技術を披露し、こちらもノーミスで演じ切る。リングよりも得点を伸ばし、15.300。二種目合計30.550の首位で二日目を迎える

第2位 丸山一休(大垣共立銀行OKB体操クラブ)

成長し大きくなった体躯に加え、巧みな手具操作と高いタンブリング力を武器に勢いが最後まで衰えることなく攻め切った。大学生などがみせるタンブリング中の手具操作や、手具を使用した背面キャッチなどジュニアでは難しい技術も構成に組み込んで上位を狙う。得点も15.100を獲得した。
二種目目のスティックではスタートから4動作の投げ技、2回半からのつなぎ技など高校生や大学生にも劣らない内容を組み込んだ。やや危ない場面も見られたが、最後まで集中力を切らさず演じ切り14.850で2種目合計29.950。暫定2位となった。

3位 村山颯(国士舘ジュニアRG)

出だしから高い表現力を見せ独特な世界観を演出してくれたが、演技後半の連続投げで痛恨の落下場外。大きな減点になってしまう。続く投げでも少し手具が手につかず投げ切ることが出来なかった。ミスが響き点数は13.200
スティックでは素晴らしい演技を見せてくれた。出だしからジュニア離れした表現力とタンブリングを武器に情緒たっぷりに演じる。最後まで安定した演技を披露し、ここまでトップの15.700を叩き出しこの種目で優勝を勝ち取り、総合でも28.900で3位に浮上した。
結果として初日は、山本響士朗(Leo RG)が2位に0.600点差をつけて暫定首位で初日を折り返した。種目別ではスティック村山颯、リング山本響士朗が種目別優勝を勝ち取った。

しかし、初日2位の丸山、3位の村山はまだ中学2年生である。やはり昨年度より力を付けこの大会に臨んできた今大会の新しい風であることは間違いない。

明日は後半ロープ、クラブ。全日本選手権でも順位が入れ替わることが多い難しい後半種目である。最後まで目を離せない個人総合はまだ始まったばかり。若い選手たちの躍動感ある演技に期待したい。

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