新体操W杯ペサロ大会2022レポート1
6月3日 W杯ペサロ大会 レポート1
当初4月初旬に行われる予定であった今大会は、コロナ禍の影響で6月へ延期となった。
個人42名、団体14チームが参加し、初日は個人総合フープ・ボールと、団体総合フープ5が行われた。
【個人競技】
・喜田純鈴 選手
WCCポルチマン大会から連戦となる喜田選手は、Bグループのトップバッターとして登場した。本人が大変緊張したと言うように、一種目目のフープではアチチュードターンでの弾みに加え、手具が少し体に近くなる部分があったものの動じることなく丁寧に対処し大きなミスなく演技をまとめた。ボールはコンバイン難度もしっかり決まり、余裕が見えるような美しい演技であった。他の選手が少々荒く勢いある演技をする中で、無駄がなく、一歩出す足も美しい喜田選手の演技は印象に残る。
予選1日目 総合8位
フープ D 13.4 (Body9.0 App4.4) A 7.85 E 8.30 計 29.550
全体8位 決勝進出
ボール D 13.4 (Body8.7 App4.7) A 8.05 E 8.20 計 29.650
全体5位 決勝進出
予選1日目のトップはイタリアのソフィア・ラファエリ選手。
地元の応援を味方につけ、よどみなく演技をこなし、2種目とも1位で種目別決勝進出を決めた。シニア3年目となる彼女は、演技全体に堂々とした力強さも備わってきた。また、手具や体の動きの繋がりが自然になため、少し危ない場面も演技の一部かのように見せることができている。技の羅列ではなく、流れの中で技をこなせるような技術は、日本国内でもぜひ見習っていきたい。
フープ D 16.1 A 8.75 E 8.75 計 33.600
ボール D 15.5 A 8.45 E 7.95 P -0.05 計 31.850
※山田愛乃選手は、体調不良のため棄権。
【団体競技】
4月に行われたW杯2大会に出場し、日本チームはフープの芸術点を上げるため、楽曲と構成を変更した。
構成が完成してから1か月と経っていないが、限られた時間の中でも演技をしっかりまとめる練習を行ってきた。しかし、本番では序盤の連係で落下、中盤はなんとかこらえたものの、後半の交換直後に落下をしてから少しずつ乱れが生じ、フープの中をくぐる連係でタイミングが合わず、転倒に至ってしまった。ポディウム練習の際に審判の方から、仕上がればとても良い作品であり、日本の世界観が見られそうだという評価を得られていただけに大変悔しい結果となってしまった。
ミスがあっては伝えたいものも伝わらない。また、欧米選手の体格の良さに勝るためには、さらに動きの大きさと表現力が求められる。今回どのチームも春先の大会より技を明確に実施し、エネルギッシュな演技をする中で、日本チームにはまだまだ弱さが見えた。今後さらに練習を積み、演技の厚みと安定感を出していきたい。
フープ5 D 13.8 (Body6.8 App7.0) A 7.50 E 6.75 計 28.050
出場選手
鈴木歩佳、竹中七海、稲木李菜子、生野風花、中村知花