第37回世界新体操選手権レポート1

報告者:山﨑浩子

現地9月16日、第37回世界新体操選手権バクー大会が幕を開けた。
今大会はオリンピック予選となっているが、初日の今日は、個人総合予選、種目別予選、国別対抗戦が行われたが、日本からは皆川夏穂、大岩千未来が出場した(喜田純鈴は後半に登場)。
1日に1種目を演技するシステムで、日本はフープから。

先に登場した大岩は、出だしの後方支持ありローテーションが決まらず、その後も動きの硬さが感じられた。緊張によるものと見られるが、いくつかAD(加点対象となる手具操作)を抜いたもののなんとか耐えた印象。悪いなりにも我慢する試合ができた。
D1(BD身体難度、Sステップ)4.5
D3(AD、Rリスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)7.8
E(実施)7.800 計20.100

皆川もいくつかADを抜き、不正確なキャッチもあったが、大きなミスは回避。終始落ち着いていた。
D1 4.3
D3 8.4
E  8.250 計20.950

フープを行った国とボールを行った国があるため暫定ではあるが、現在1位はフープを行ったロシアのDina AVERINA。
準備動作が一切なく、次々とADを繰り広げた。
D1 4.9
D3 9.7
E  9.100 Pペナルティ(タイム)0.05 計23.650

2位は同じくロシアのSELEZNEVA。
当初SOLDATOVAがエントリーされていたが、WCCポルチマン大会の際にコンディションを崩してSELEZNEVAに変更。しかし、もともと力のある選手だけに、Dinaに引けを取らない演技を見せた。
D1 5.1
D3 9.4
E  8.900 計23.400

3位はフープの演技をしたブルガリアのKALEAN。
得意のフェッテのローテーションは体軸の乗りがいまひとつであったが、大きなミスはなかった。
D1 5.0
D3 8.3
E  8.300 計21.600

4位はボールの演技をしたウクライナのNIKOLCHENKO。
若干不正確な手具操作はあったが、抜群のプロポーションを生かしたダイナミックな演技であった。
D1 4.8
D3 8.0
E  8.600 計21.400

5位はイタリアのBALDASSARRI(ボール)。
転がしのADが不正確になったが、美しく演技した。
D1 5.1
D3 7.9
E  8.300 計21.300

6位はイスラエルのASHRAM(ボール)。
メダル争いをする選手であるが、出だしのパンシェバランスで落下。
D1 4.7
D3 8.7
E  7.900 計21.250

同点6位イスラエルのZELIKMAN(ボール)。
大きなミスなし。
D1 4.4
D3 8.5
E  8.350 計21.250

8位USAのGRISKENAS(フープ)。
大きなミスなく伸びやかに演技した。
D1 5.2
D3 7.7
E  8.100 計21.000

9位にイタリアのAGIURGIUCULESE(ボール)。
少しもたつく箇所があった。
D1 5.1
D3 7.5
E  8.350 計20.950

同じく9位に皆川。

11位USAのZENG(フープ)。
大きなミスはないが、足の汚さが気になる。
D1 4.6
D3 8.2
E  7.900 計20.700

12位はベラルーシのHALKINA(ボール)。
大きなミスなく情感豊かに演技した。
D1 4.8
D3 7.0
E  8.800 計20.600

13位スロベニアのVEDENEEVA(ボール)。
ローテーションの体軸の乗りが良く、美しい演技。
D1 5.5
D3 6.8
E  8.250 計20.500

14位ブルガリアのTASEVA(フープ)。
Rの投げが戻り、BDも不明確。
D1 4.8
D3 7.7
E  7.900 計20.400

15位大岩。

同じく15位ルーマニアのMAILAT(ボール)。
非常に器用な選手である。
D1 5.0
D3 7.8
E  7.300 計20.100

17位ウクライナのPOHRANYCHNA(ボール)。
大きなミスはしていないが、技の羅列に見える。
D1 5.0
D3 7.3
E  7.750 計20.050

ベラルーシのHARNASKOは19.600(ボール)で19位。
フランスのMOUSTAFAEVAは19.500(ボール)で21位。
ジョージアのPAZHAVAは、バウンドを利用したADがうまくいかず、落下と取られたか16.400で62位。

実力者が下位にいるが、個人総合予選はベスト3種目の合計で競われるため、1日目に下位にいる選手でも上昇する可能性は高い。
明日は2種目目が行われ、本日フープを行った選手はボールを、ボールを行った選手はフープを行う。
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