新体操WCCカザン大会報告1
8月30日、WCCカザン大会初日は、個人総合前半と団体総合前半が行われた。
日本からは皆川夏穂、大岩千未来、団体競技にフェアリージャパンPOLAが出場。
<個人総合前半>
先に登場した大岩は、合宿地ロシアで曲の変更を命じられ、つい先日ボールとクラブの伴奏音楽を変更した。
そのせいかまだ頭が整理できていないような感じが見て取れ、練習では得意のローテーションにまで影響して、どの程度できるか不安視された。
しかし本番では、多少のつなぎのもたつきはあるものの、なんとか乗り越えた。
1種目目のフープは、AD(加点対象となる手具操作)のための投げが若干後ろになり、少し不安定になりながらキャッチした。
そのため足から手へ持ち替えるときにわずかに落下。
D1(BD身体難度、Sステップ)4.90
D3(AD、Rリスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)6.80
E(実施)7.30 計19.000
伴奏音楽を変更したボールの種目は出だしの支持あり後方ローテーションが決まり、観客からも声援がとんだ。
ミスもほぼない演技のように思えたが、
D1 4.80
D3 6.80
E 7.20 計18.800
実施の点数が伸びなかったが、ラストポーズが曲からこぼれてしまったので0.5の大きな減点があったようである。
この時期の曲の変更は酷ではあったが、変えた以上は早く慣れて終末までしっかりと収められるようにしてほしい。
2種目合計 37.800
一方、皆川は両種目とも安定感のある演技をした。
いつも力みすぎて体が硬くなり、こなしの悪さが出ていたが、今大会は8割程度の力で行っているような演技で、その分余裕があったように思う。
特にフープは、これまでせっかくいれているADを抜くことが多かったが、今大会はほぼやり切った。
フープ
D1 4.30
D3 7.60
E 8.55 計20.450
ボール
D1 4.20
D3 8.00
E 8.15 計20.350 2種目合計40.750
前半1位はロシアのDina AVERINA。
ボールはADを少し抜く箇所があったが、その判断は素早く、実施上はなんら問題がないように見える。
ボール
D1 4.80
D3 8.80
E 9.10 計22.700
フープは大きなミスなし。
D1 5.20
D3 8.90
E 9.00 計23.100
2種目合計45.800
2位はArina AVERINA。
フープではすばらしい手具さばきを見せていたが、足回しのAD投げでフープが場外に飛んでいく。
しかしフープの流れをよく読んでいるのか、いっさい追わず、場外からワンバウンドで戻ってきたところをキャッチした。
D1 5.40
D3 7.80
E 8.15 場外ペナルティP0.3 計21.050
2種目合計43.650
3位はブルガリアのKALEAN。
フープではRの投げが大きくなったが、慌てずに幅をとりながら回転し、事なきを得た。
フープ21.150
ボール20.950 2種目合計42.100
4位に皆川。
5位ブルガリアのTASEVA。重さを感じる。
フープ19.950
ボール20.550 2種目合計40.500。
ギリシャのKELAIDITIがフープ19.550、ボール19.100 計38.600で6位に入っている。私はあまり見たことがない選手であるが、非常に器用な選手である。
USAのGRISKENAS、イタリアのBALDASSARRIはボールのADキャッチで落下。フープも投げ受けが乱れて、GRISKENASが7位、BALDASSARRIは8位。
ベラルーシのHALKINAも、フープはミスなく演技して20.650を獲得しながら、ボールでは出だしのADキャッチで落下、場外で17.200。
2種目合計37.850で12位。
大岩はその下の13位。
TASEVAあたりが上がってくることが予想されるが、皆川も大岩もまずはプログラムをしっかりとこなすことに集中してほしい。
<団体総合前半>
本日はボールの種目が行われた。
日本は試技順2番。
ほぼ連係の追加価値も行っていて、キャッチの移動も少なかった。
D1(BD身体難度、ED交換、S)5.70
D3(C連係、R)14.40
E(実施)8.10 計28.200
WCCミンスク大会とほぼ同じような出来でありながら、D3の点数がだいぶ低いためインクワイヤリーを提出。
しかし得点は上がらながった。
今大会は前大会では注意されなかった連係の投げの高さを、意識して採点しているようである。日本は日ごろから投げの高さも考えて練習しているが、結局どこの投げが低くて加算されなかったのか、詳細はわからないため、追っての検証が必要である。
出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
竹中七海
鈴木歩佳
熨斗谷さくら
前半1位はブルガリア。
大きなミスなし。
D1 5.80
D3 14.80
E 8.40 計29.000
2位は同点のロシア。
連係で落下し、落下したボールを相手に戻した際、届かずに再度落下。
D1 6.00
D3 15.50
E 7.50 計29.000
タイブレークによりブルガリアが現在1位。
3位はイタリア。
落下ミスはなかったが、キャッチの移動があった。
D1 6.00
D3 14.60
E 7.95 計28.550
4位が日本
5位はベラルーシ。
非常に勢いのある演技を行っていたが、ラストの連係で落下。落下したボールを相手に渡す際にも落下気味になった。
D1 6.30
D3 14.00
E 7.50 計27.800
6位ウズベキスタン
多少汚さはあるが、連係の価値は高い。
D1 5.50
D3 14.90
E 6.95 計27.350
7位中国
大きなミスなし。団体同時性もあった。
D1 5.80
D3 13.70
E 7.50 計27.000
8位同点のイスラエル。
どの国もさほどの差がないため、明日の出来次第では大幅な順位の入れ替えも予想され、気の抜けない戦いである。
明日は後半種目が行われる。