新体操WCCミンスク大会報告1

報告者:山﨑浩子

8月16日、WCCミンスク大会が開幕した。初日の今日は、個人総合前半と団体総合前半が行われ、日本からは個人競技に大岩千未来、皆川夏穂、団体競技にフェアリージャパンPOLAが出場。

<個人総合前半>
大岩はボールの種目から。
得意とするローテーションがあまり決まらなかったが、AD(加点対象となる手具操作)やR(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)などはほぼ決まり、落ち着いていた。
D1(BD身体難度、Sステップ)4.50
D3(AD、R)7.50
E(実施点)8.40 計20.40
大岩は1種目目で20点台に乗せた。

フープの種目も支持あり後方のローテーションがぐらつき気味となったが、D3のポイントは稼ぎ
D1 4.60
D3 7.50
E  8.05 計20.15
2種目を20点台に乗せ、上々の滑り出しを見せた。

皆川はフープの種目から。
ADのキャッチに不正確なものがいくつかあったが落下は防ぎ、
D1 4.30
D3 7.40
E  8.70 計20.40

ボールはフープよりも比較的ADが良く見え、
D1 4.20
D3 8.20
E  8.80 計21.20
皆川も両種目とも20点台に乗せ、ボールでは21点台を出すなど、D3の強化を行ってきたことが実になってきたと言えよう。

トップ争いをしているのはロシアのAverina姉妹。
Arinaは2種目ともミスなく演技し、
フープは
D1 5.00
D3 9.00
E  9.35 計23.85

ボールは
D1 5.40
D3 9.00
E  9.30 計23.70

Dinaはフープでは足投げが大きくなるミス。ボールも少々投げが乱れていた。
フープ
D1 4.80
D3 9.00
E  9.35 計23.15

ボール
D1 5.00
D3 9.40
E  9.20 計23.60

イスラエルのASHRAMは、大きなミスなくそつなくこなした。
フープ
D1 5.30
D3 8.20
E  9.00 計22.50

ボール
D1 5.10
D3 7.90
E  8.90 計21.90

ほかにもベラルーシのHALKINAがミスなくリズミカルに演技して
フープ22.60、ボール21.55

イタリアのAGIURGIUCULESEも健闘し、フープ22.50、ボール21.20。
イスラエルのZELIKMANがフープ22.00、ボール21.55。

ベラルーシのSALOSはフープは多彩なADで22.40を獲得しながら、ボールでは転がしでのキャッチミスで19.80。
ジョージアのPAZHAVAもフープでは20.70を出したが、ボールは2度の場外で14.25。
イタリアのBALDASSARRIはフープが22.30、ボールがADのキャッチミスで18.25。

上位陣はロシアを除けば22点台の戦いになっているが、数多くADを入れているがゆえにひとつリズムが狂うと大きなミスを招いてしまう状況である。
明日は後半種目のクラブとリボンが行われる。

<団体総合前半ボール5>

先に演技をしたウクライナは交換で落下。
複数投げのボールの低さが気になるが、
D1(BD身体難度、ED交換、Sステップ)5.50
D3(C連係、Rリスク)12.20
E (実施点)7.90 計25.60
ミスをしても25点台に乗せてきた。

続くロシアは連係での大きな移動や連係での落下があったが、
D1 5.50
D3 15.90
E  7.80 計29.20
30点も目の前という驚異的な点数をたたき出した。

そして日本は6月のアジア選手権終了後、ひたすらD3を上げることに徹してきた。
そのかいあって、4点近くを上げてきたのだが、それをこなせるかどうかは別問題。
どの程度の出来になるか不安もある中で、非常にクリアな演技をした。
ラスト近くの連係で足に挟んだボールがワンバウンドの落下をしてしまったが、まずまずの出来と言えよう。
D1 6.00
D3 15.10
E 7.85 計28.95
ロシアに迫る点数を得た。24点台をとるのが精いっぱいであったチームはこの1か月あまりで大きく飛躍した。
出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
竹中七海
鈴木歩佳
熨斗谷さくら

ブルガリアは今日の出来から言えば一番であった。
大きなミスもなく、迫力もあったが
D1 5.60
D3 14.80
E 8.45 計28.85
D3が伸びず、日本との差は0.1

ベラルーシは前半のRで落下。ボールの握りが気になるところである。
D1 6.30
D3 14.90
E 7.55 計28.75

イタリアは連係で場外。ボールを予備手具に差し替えたが、それでも
D1 6.10
D3 14.70
E 7.75 場外ペナルティ0.3 計28.25

どの国もミスがあっても26点は確保しており、25点から26点の戦いと思われていたものが一気に28点から30点の戦いとなった。

明日は後半種目のフープ&クラブが行われるが、日本はこの種目もボールと同様に4点近くD3をあげているため、まだ安定感がない。
崩壊する恐れもあるが、まずはチャレンジしてほしい。
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