2019新体操アジア選手権報告4

報告者:山﨑浩子

タイ・パタヤで開催されているアジア選手権、アジア選手権も最終日となり、種目別決勝の後半が行われた。

第11回アジア新体操選手権大会
———第11回アジア選手権———
<団体種目別決勝フープ&クラブ>

試技順2番はウズベキスタン。
落下はなかったが、パンシェバランスでぐらつき、D1に影響した。
移動キャッチもあり、
D1(BD身体難度、ED交換、Sステップ)5.00
D3(連係、Rリスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)11.70
D(難度点)16.700 E(実施点)6.500 計23.200
昨日のボールほど、D3が伸びなかった。

試技順4番は中国。
大きなミスはなく、
D1 5.20
D3 9.80
D 15.000 E 6.850 計21.850

日本(フェアリージャパンPOLA)は6番目に登場。
出だしの連係はきれいに決めたが、最初の交換で、フープの投げを手に引っ掛けてしまい、落下。
フープの落下地点が悪すぎて、次の連係もリカバリーがうまくいかず落下。いくつかの連係に影響した。
リスクでも落下し、
D1 4.90
D3 10.80 
D 15.70 E 4.850 計20.550

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
竹中七海

1位はウズベキスタン
2位中国
3位は日本で、なんとかメダルを死守。

日本は今年に入ってから安定した演技を見せてきたが、珍しく立て直しに時間がかかるミスであった。
しかし、この時期にこういった結果を得たことは逆に良かったと言えよう。
緩慢な思いがあったとが思わないが、いつも安定した演技ができることに緊張感がなくなりかけていたかもしれないし、もっと多くのことにチャレンジしていかなければ勝てないことも感じられ、奮起するきっかけをつくってくれた。
世界選手権まで残り3か月弱となったが、時間がまだまだある。より高みを目指してのカンフル剤になると思われる。

<個人種目別決勝/クラブ・リボン>
クラブとリボンには柴山瑠莉子と立澤孝菜が出場。
クラブの柴山は、出だしの転がしのAD(加点対象となる手具操作)で、足でクラブを踏む予定がうまく踏めず落下。
しかしそのあとはしっかりと決めた。
D 9.90
E 7.550
計17.450

立澤はADやRはダイナミックに決めていたが、クラブを背面キャッチしながらのフェッテバランスがうまくいかず、
D 9.800
E 7.550
計17.350

ウズベキスタンのTASHKENBAEVAは今日も棄権し、1位は中国のZHAOがエネルギッシュな演技で1位となった。
若干ミスも出ていたが、BD(身体難度)のキレは良く、17.850でトップ。

2位はカザフスタンのTLEKENOVA。柴山と同点であったが、TLEKENOVAのほうが実施点が高かったため、タイブレークにより柴山は3位。
銅メダルを獲得した。

リボンでも柴山はパンシェバランスで崩れてやり直すミスは出たが、全体的には小気味よく演技し、2位に。
1位は中国のZHAO、3位はTLEKENOVA。
立澤は予選の時と同じくリボンの引き戻しの箇所がうまくいかず、バランスでも崩れがあった。立澤は5位。

第17回アジアジュニア新体操選手権大会
——–第17回アジアジュニア選手権———
<団体総合リボン5>
日本は試技順7番目に登場。
前半の滑り出しは良かったが、ステップからの投げの際にリボンがレオタードの裾にひっかかりうまく投げられなかった。それを処理して定位置に行こうとしたときに、今度はリボンを踏んでいたため、落下。
すばやく戻って交換は成立させたが、いくつかミスが出た。
対処としては以前より素早さがあるが、まだまだリボンに張りがないため、そのあたりの改善が必要であろう。
日本は5位。

1位はカザフスタン
2位はウズベキスタン
3位はマレーシア

<個人種目別決勝クラブ>
クラブの種目には田口久乃が出場。
予選の際にはローテーションがうまくいかなかったが、今日は後方支持あり、パンシェ、両方のローテーションが決まった。
ADやRもスピーディーに行い、最後まで集中力を切らさなかった。
田口はこの種目で銅メダルを獲得した。

4日間という長い試合であったが、それぞれに課題もはっきりと見えた大会であった。
今後は各々の目標に向かい、日々の練習を積み重ねていってほしい。

最後に、タイまで多くの方々が応援に駆けつけて声援を送ってくださった。
日本で応援してくださっている方々も含めて、この場をお借りして感謝の意を申し上げたい。