2019新体操アジア選手権報告2

報告者:山﨑浩子

タイ・パタヤで開催されているアジア選手権、アジアジュニア選手権2日目は団体総合後半、個人総合後半(シニアのみ)、種目別予選、国別対抗後半が行われた。

第11回アジア新体操選手権大会
——-第11回アジア選手権——–
<団体総合後半・フープ3&クラブ2>

日本(フェアリージャパンPOLA)は昨日と同じく試技順4番で登場。
出だしからすぐの交換でクラブの投げが短くなり、上から押さえるキャッチにしたが落下ぎみのキャッチ。
そこでリズムが崩れそうになったがなんとか持ち直した。
中盤の連係でもプログラム通りにはいかない箇所もあったが、大きな被害にしないように最後までこらえた。
D1(BD身体難度、ED交換、Sステップ)5.30
D3(連係、Rリスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)11.00
D(難度点)16.300 E(実施点)7.650 計23.950

点数を見ると、交換は落下ととられたようである。

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
竹中七海

このフープ&クラブでも竹中が入り、この種目では初めて大会で演技したが、大崩れすることなく演技できたことは及第点を与えられるであろう。

日本は2種目合計48.650で、団体総合金メダルを獲得した。

2位はウズベキスタン。
交換で落下、移動キャッチなどもあり、
D1 4.30
D3 11.30
D 15.600 E 6.100 計21.700
2種目合計44.950

3位は中国。
中国も連係や交換で落下があり、
D1 4.90
D3 9.90
D 14.800 E 7.050 計21.850
2種目合計44.150

4位カザフスタン
フープ&クラブ 18.050
2種目合計36.600

5位朝鮮民主主義人民共和国
フープ&クラブ 17.050
2種目合計33,400

6位タイ
フープ&クラブ 15.050
2種目合計31.250

7位中華台北
フープ&クラブ 14.500
2種目合計30.650

8位韓国
フープ&クラブ 10.850
2種目合計28.450

9位マレーシア
フープ&クラブ 10.850
2種目合計28.400
10位フィリピン
フープ&クラブ  8.450
2種目合計19.000

<個人総合後半・種目別予選>
クラブの種目は立澤孝菜から。
この種目は前日と見違えるようにRやAD(加点対象となる手具操作)がはまった。BDのローテーションだけ、若干回転数が少ない印象であったが、ほぼミスのない演技であった。
D10.200 E8.000 計18.200

クラブの2番目は猪又涼子。
前半、投げが少し乱れたため、ADのキャッチをとりやめた。
パンシェのローテーションは決まったが、後半のRの2本投げで、クラブ同士が空中で接触したため、一方のクラブの向きが変わってしまった。
そのため、手を広げてキャッチできるかギリギリのところであったが落下。
D8.500 E7.450 計15.950

3番目の登場は柴山瑠莉子。
昨日は2種目とも思ったような演技ができなかったが、今日は切り替えて試合に臨めていたようである。
クラブでは加点対象となる手具操作を少し抜く(例:クラブでクラブを押さえてキャッチするところを手でキャッチ)箇所はあったが、BDのはまりは良く、大きなミスはなかった。
D9.900 E8.050 計17.950

最終種目リボンの1番手は立澤。
リボンの床上での引き戻しがうまく戻らず、リボンが体に近い箇所もあった。
ローテーションの回転数が少なく、
D8.000 E7.350 計15.350

猪又は出だしの投げで、リボンの裾をつかむ予定がつかめず、大きく落下。
時間がなくADをやらない箇所などもあり、
D8.300 E6.900 計15.200

柴山はADのあと、リボンが体に近くなって少々絡んだが、大きなミスはなく
D9.200 E7.850 計17.050

昨日と今日では猪又と柴山の出来が反対になる形で、
柴山が6位(4種目合計 67.600)
猪又が8位(4種目合計 67.000)

1位はウズベキスタンのTASHKENBAEVA。
クラブもリボンも大きなミスはなく、
クラブ19.500
リボン17.800
4種目合計75.550で貫録を見せた。

2位は中国のZHAO。
ZHAOも4種目を通じて落下ミスがなく、
クラブではTASHKENBAEVAを上回る19.550。
リボンもキャッチの移動はあったもののこらえて、16.350。
4種目合計72.500

3位はカザフスタンのTLEKENOVA。
クラブ18.000
リボン16.600
4種目合計70.550

4位ウズベキスタンのUSMANOVA
5位ウズベキスタンのFETISOVA
6位柴山、7位中国のLIU、8位猪又(47人中/ 山田愛乃、立澤は4種目演技していないため、個人総合対象外)。

国別対抗は各種目3演技ずつの12演技中、ベスト10演技の合計で競われるが、
日本は139.750で銅メダルを獲得した。

1位はウズベキスタン146.700
2位は中国141.900
3位日本139.750(山田、立澤、猪又、柴山)
4位カザフスタン137.150
5位韓国130.350
6位マレーシア124.550
7位中華台北113.550
8位モンゴル109.700

以下
9位タイ
10位インドネシア
11位シンガポール
12位フィリピン
13位トルクメニスタン

種目別決勝にはフープに山田と猪又、ボールに猪又、クラブに柴山と立澤、リボンに柴山と立澤が出場する。

第17回アジアジュニア新体操選手権大会
———第17回アジアジュニア選手権———
<団体総合後半・リボン5>
日本(選抜チーム)は、試技順7番目に登場。
出だしの3本投げも決まり、良いスタートを切った。
が、後方投げの交換が大きくなり、場外に出そうなところでのキャッチで焦ったのか、スティックをはじき、場外。
直後の連係も乱れた。
足投げ2本投げの連係も乱れて、直後の交換も乱れたが、なんとか落下はふせいだ。
いくつかのミスが出て13.000であったが、他のチームもミスが相次いだため、リボンでは2位通過。
昨日のフープとの合計は29.850で、団体総合銅メダルを獲得した。

1位はウズベキスタン
リボン14.750
2種目合計32.850

2位はカザフスタン
リボン12.800
2種目合計31.050

3位日本

4位中国
リボン11.200
2種目合計26.250

5位マレーシア
リボン9.600
2種目合計25.150

6位中華台北
リボン9.250
2種目合計20.350

7位モンゴル
リボン5.700
2種目合計17.200

8位タイ
リボン7.000
2種目合計16.650

9位シンガポール
シンガポールは途中で3本のリボンがからみ、場外に出して予備手具を使用したが、予備手具は2本しかないため、再度場外に出したリボンの束をほどき、そのうちの1本を戻すという大変なミスが出た。そのせいもあり幾度もミスが出ていたが、最後まで必死に踊る姿には拍手を送りたい。

<国別対抗後半・個人種目別予選>
ジュニア個人は個人総合がなく、代わりに4種目1演技ずつの4演技の合計で競われる国別対抗と、種目別予選が行われた。
今日は後半戦であるが、クラブに田口久乃、リボンにジュニアのエース喜田未来乃(喜田純鈴の妹)が出場した。

田口は落下ミスもなくエネルギッシュに演技したがローテーションが決まらず、パンシェのローテーションでは手を床についてしまう。
14.950で、8位で種目別決勝に進出した。

喜田は動きも非常に良く、1箇所の投げの乱れ以外はリズミカルに演技した。
身体難度も見えやすく、本人としては良い出来であったろう。
しかし、前半の早い段階でリボンに結び目ができていて、喜田はそれに気づかず演技したため、結び目ができた以降の身体難度やADは加算されないこととなってしまった。
実施は7.050を獲得していることから、演技自体にはほぼ影響はなかったことを物語っているが、ルールでは小さな結び目でもノーカウント(リスクのみカウント)となっているため、難度点はD1もD3も1点台。
D難度点は3.40 E実施点は7.050 という奇妙な点数となり、計10.450。

今後は結び目を作らないことが第一であるが、小さな結び目でも気づくことができるように神経を張り巡らせておかなければならない。
国別対抗は6位。

明日は種目別決勝が行なわれ、ジュニアのロープには鈴木菜巴、ボールには生野風花が出場する。