【遠征レポート②】青森大学男子新体操部~ロシア~2015年2月

報告者:

ロシア遠征報告:青森大学新体操部 中田吉光
去る2/15(日)、ロシア新体操生誕80年を記念したイベントがロシア・サンクトペテルブルグのマリインスキー劇場で演出ダニエル・エズラロウ氏(ソチ冬季オリンピックを手掛ける)のもと盛大に開催された。
公演内容は三部構成となっており、一部では世界に誇るロシア新体操(幼児からナショナルまで)の各種パフォーマンスを行いロシア新体操の層の厚さやレベルの高さを見せ付けるものであった。
二部では、オペラ歌手マリア・グレギーナ女史による歌声・オーケストラに合わせ、歴代のメダリスト達(アリーナ・カバエワ、エフゲニア・カナエワ、ユリア・バルスコワ達)のゆったりと歩く、その名も「レジェンド」が紹介された。三部は「ボレロ」の曲に合わせロシア以外11カ国から招待されたナショナル選手達によるコラボレーション演技というもので、日本からは早川さくら選手、皆川夏穂選手(本国 特別強化選手)と籠島遼選手、藤原大貴選手、佐藤秀平選手、永井直也選手(青森大学男子新体操部)が出演した。
ロシア国内ではテレビ放送が組まれるということもあり、そのCMもたくさん流れているなどイベントの大きさを感じさせられた。
公演準備のため2/7(土)から出国しセッションをもったわけだが、ロシア語が解らないというだけでなく、組まれてある練習予定時間が直前で変更されたり、次の日会場移動時間が夜中1時に変更連絡が来たりなど、まず日本ではあり得ないことが多く戸惑いもたくさんあった。
演出のダニエル氏から今回指名を受けての参加という形であるが、事前に準備していった我々のパート演目を見て「ブラボー」喜んでいただいた。また、ラストのクライマックスには全員参加で「何かアイディアはないか」と制作にも参加した。
ダニエル氏から紹介され、主催者であるロシア新体操連盟のイリナ・ヴィネル女史との初対面の会話で、「日本の男子新体操は前にも見たことがある。ロシアにも女子の新体操をそのままやっている選手がいる。男子はスピーディーで迫力がなければならない。だから君たちを呼びたかった。これは特別なショーである!来年はない(ロシア新体操80周年記念だから)いろんな方々を呼んでいる。そこで披露する意味を考えなさい。」と、厳しくも温かいお言葉をいただき、呼ばれた意義を強く感じた。
また、三部でのトリ(最後の演者)を任され、その直前であるロシア団体との波長が合わず演技がボロボロになった時、彼女から「本日中にどこの場所(新体操専用体育館など普通では入ることさえ認められない)を使っても良いから完璧にしなさい」と我々にさえ激が飛ぶほどパワフルであった。勿論、他国の選手だろうとあまり調子が良くない選手には出場する順番まで変更させられるという怒り方に容赦ない。そういう指摘たる威厳は物凄いものがあり、それほど真剣で世界のトップに君臨するのも分かる。
更には早川・皆川両選手が住むノヴォゴルスク(多種競技オリンピックのナショナル選手が住み込みでトレーニングを行う施設)で6日間生活する中で、ロシアの強化育成システムを肌で感じ、また、専用体育館での練習等で身が引締まり、私自身も試合以外での心地よい緊張を感じた。
皆川夏穂
早川さくら
青森大学新体操部
内容的には関係した各チーム・選手なりの特性が十分発揮できたのではないかと思う。
帰宿後、ホテルではパーティーが行われた。(招待を受けている国際審判員・地元協会関係者・選手監督、約300人弱)たくさんの国の方々から賞賛を頂いた。
三部のトリを男子・つまり我々が取るということに凄い意味があったような気がする。ダニエル氏、ヴィネル総裁をはじめ関係者に感謝したい。
国際審判員の方々から「昔より良くなったね!」や「初めて見て感動した。」また、体操関係者以外からは「面白いね。」とか「お前たち凄いな。」などたくさんの賛辞を頂いた。中でもロシア体操協会関係者から、「歴史ある古い会場で、男子という新しい演技が最後をとるということが今回凄くマッチしたと思うよ。」と言ってくれた言葉が物凄く心に響いている。
関係各位の皆様、ありがとうございました。
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