2017アジア新体操選手権レポート4
【新体操第9回アジア選手権・第15回アジアジュニア選手権大会最終目】シニア大会情報・結果へ ジュニア大会情報・結果へ
6月27日、新体操第9回アジア選手権・第15回アジアジュニア選手権(カザフスタン/アスタナ)最終日は、アジアジュニア団体種目別決勝クラブ、ジュニア個人種目別決勝、アジア選手権団体種目別決勝ロープ&ボール、シニア個人種目別決勝が行われた。
《ジュニア団体種目別決勝クラブ》
日本(選抜チーム)は、団体総合のときにこのクラブでミスしており、種目別決勝ではなんとしても落下ミスを回避したいところ。
前半からとてもクリアな演技で、安定感があった。
総合でミスが出たところも無事に乗り越え、ラストの交換の投げが短くなったが、なんなく処理した。
D8.000 E7.650 15.650
ジュニアのD得点は8.000が満点のため、日本は満点を獲得したことになる。
15点台に乗せたのは1チームのみで、日本はこれで団体総合、団体種目別決勝ロープ、クラブを制し、完全優勝を果たした。
出場選手:
小西野乃花
中村胡桃
稲木李菜子
今岡里奈
二木乃愛
1位日本 15.650
2位カザフスタン 14.900
3位ウズベキスタン 14.850
4位中国 13.350
5位韓国 13.150
《シニア団体種目別決勝ロープ&ボール》
シニア団体(フェアリージャパンPOLA)も、今日を制すれば完全優勝となるが、他のチームが落下ミスなどで崩れる中、日本は小さなミスにとどめて演技を終えた。
団体総合、種目別決勝フープ、ボール&リボンと4試技を落下ミスなく演技したことは評価に値する。
しかし、実施点を8点台後半に乗せていかなければメダルには届かない。
今後も投げ受けの正確性や姿勢欠点の改善に努め、より高みをめざしてもらいたい。
出場選手:
杉本早裕吏
松原梨恵
横田葵子
竹中七海
鈴木歩佳
1位日本 17.700
2位中国 15.550
3位カザフスタン 15.100
4位ウズベキスタン 14.650
5位韓国 14.600
6位朝鮮民主主義人民共和国 14.450
7位マレーシア 13.250
8位チャイニーズタイペイ 13.250
《シニア個人種目別決勝》
フープは喜田純鈴と皆川夏穂が出場。
喜田はパンシェローテーションに乱れが出たが伸びやかな演技で16.350。
皆川はR(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の回転を行う)のキャッチが危なかったが、なんとか対処した。16.800
1位はカザフスタンのASHIRBAYEVAで17.550。
皆川は2位に入り、喜田も5位と健闘した。
ボールには柴山瑠莉子と皆川が出場。
ころがしのAD(加点の可能性のある手具操作)でワンバウンド、他のADでも準備に手間取り、14.550
皆川はMGキックでのターンが崩れ、Rも少々乱れたが、美しい演技であった。
16.850
1位はASHIRBAYEVA。皆川2位、柴山7位。
クラブも皆川と柴山が出場。
皆川はこれまでと比較しても非常に精度の良い演技をした。BD(身体難度)の質も良く、ADもクリアであった。しかし後半のADの投げが若干乱れ、迷いが生じて落下。すぐに取り戻したが惜しいミスであった。17.100で3位。
1位は回転力が武器のSERDYUKOVA。
最終種目リボンには喜田のみ出場。
試技順1番の喜田は、国別対抗や個人総合決勝の際に出たミスをすべて修正し、すばらしい演技を見せた。
まだまだ実施の得点は上がらないが、こういった調整ができていけば、すぐに上位選手の仲間入りができるようになるだろう。
喜田はこの種目で銅メダルを獲得した。
1位はSERDYUKOVA。
柴山は正確な手具操作が持ち味であるが、身体が小さいため、もっともっと大きく動く努力が必要。喜田は、BDはクリアなので、動きと動きのつなぎを良くしていくことが課題。そして皆川は、なんといっても安定感が課題である。以前からの課題であるので、なんとか改善を期待したい。
《ジュニア個人種目別決勝》
フープには植松智子と山田愛乃が、ボールには小池夏鈴と山田、クラブに山田、リボンに植松と飯田由香が出場した。
植松、小池、飯田はそれぞれミスが出てしまったが、ひとり気を吐いたのが山田。
出場した種目すべてに落下ミスはなく、思い切りの良い演技をして、フープでは銅メダルを獲得した。
ジュニア団体、シニア団体で完全優勝。
個人も国別対抗でジュニア、シニアともに銅メダルを獲得。
個人総合では皆川が銀メダル、種目別でも3種目でメダル獲得。喜田がリボンで銅メダル獲得。ジュニアで山田が銅メダル(フープ)と、今大会ではかなりの成果をあげることができた。
しかしながら個人選手はまだミスが多く、技術的な面では回転力が足りない。ウズベキスタンの選手はどの選手もパンシェローテーションは5回は当たり前、支持あり後方ローテーションでも5回ほどは回る。リボンの種目はADを入れづらいため、D得点を上げるにはこの回転力が必要である。日本も回転力を上げるための努力をしていかなければならない。