2017新体操日本代表選考・決定競技会(in 高崎アリーナ)レポート
第35回世界新体操選手権大会、第9回アジア新体操選手権大会、第15回アジアジュニア新体操選手権大会
日本代表選考会
第29回ユニバーシアード競技大会新体操日本代表決定競技会
今年4月にオープンした高崎アリーナにて開催した、日本代表選考会。開場には朝から約1,200名の観客にお越しいただき、代表選考会だからかとても緊張感のある会場の雰囲気であった。
2017年1月より採点規則が改正され、個人競技においては、R(リスク:回転を伴ったダイナミック要素)とAD(手具の難度)1演技中に数の上限がなくなった。身体難度は今まで通りシニアは最高9個(ジュニア7個)となっている。
個人競技ではジュニア選手もシニア選手も新ルールに適応させ演技プログラムを変更し難易度の高い技に挑戦しているため非常にミスが目立った。
そんな中、自分の持ち味を生かしてミスを最小限におさえた柴山瑠莉子選手がアジア選手権代表の座を獲得した。4種目を通して安定した演技を披露した理由の1つとして、日々積み重ねた練習量の裏付けがあったのだと表彰式後のインタビューから感じられた。お手本のような徒手難度と手具操作には定評があり申告書がなくとも演技内容が明確に見える。動きの繋ぎがスムースで難易度の高い技もさらりとこなす。更に動きに大きさとスピード感を加え世界に柴山瑠莉子をアピールして欲しい。
また、柴山選手は世界選手権大会の国内補欠としても選出されている。
ユニバーシアード日本代表チームは東京女子体育大学。フープ5では大きな落下ミスはなく手堅くまとめた。ロープ&ボールでは交換、連係の受けが乱れる箇所が数か所、Rが1名の選手が行えず不成立と大きな落下ミスはなかったものの課題が多い出来栄えとなった。世界の舞台では現在上位チームはDスコア10点が叩き出されている。ユニバーシアードまで更に徒手難度要素が明確に評価でき、Dスコア、Eスコア共に得点を伸ばせるよう期待したい。
ユニバーシアード個人代表候補選手として立澤孝菜選手、河﨑羽珠愛選手が選出された。
立澤選手は演技に安定感が増し、難度要素の実施が明確であり説得力があった。河﨑選手は表現力がアップした演技を披露したが落下ミスが目立った。両選手共に、本番までに更に試合を経験しミスのない演技で臨んで欲しい。
アジアジュニア選手権大会個人代表選手は、今回の選考会に参加した4名の選手に決定した。小池夏鈴選手、植松智子選手、山田愛乃選手、飯田由香選手。
4選手共に難易度の高い手具操作に果敢に挑戦している。ミスがまだ生じているが、今後練習と試合経験を積んでミスのない演技でアジアジュニア選手権大会を戦ってほしい。
団体選抜ジュニアチームは粗削りながらも徒手能力に優れている選手達5名でチームが編成されており、動きの1つ1つは美しい。更に団体同時性を磨き、Dスコアを伸ばせるよう期待したい。
世界選手権大会には団体フェアリージャパンPOLA、個人特別選手の3名、皆川夏穂選手、早川さくら選手、喜田純鈴選手が決定している。
まだ日本では試合シーズンが始まったばかりという感覚があるが諸外国では既に毎週のように試合が行われている。特別強化選手3名とフェアリージャパン POLAの活躍も期待し、今大会で代表に決定した選手、チームも世界の舞台を視野に更にステップアップして本戦に臨んで欲しい。
*大会結果等