新体操W杯イタリア大会レポート3
【大会3日目】
《団体種目別決勝》
日本(フェアリージャパンPOLA)はフープのみの出場で、試技順1番で登場。フープの転がしの連係でわずかに乱れ、足蹴りの2本投げ連係では大きく移動してキャッチした。しかし、D10.000、E7.950 Time減点0.05 計17.900で、総合から1点強得点を伸ばした。
1位はイタリア。テーマがはっきりしており、少々の乱れはあったが、うまくまとめた。D10.000、E8.700 18.700。
2位はブルガリア。大きなミスはなかったが、D9.500、E8.650 18.150。
3位には中国が入った。総合のときよりバラツキがあり、キャッチの移動もあったが、D9.900、E8.000 計17.900。
日本は中国と同点であったが、実施の点数は中国が高かったため、タイブレーク規程により、中国が表彰台に上がった。
4位が日本で5位がウクライナ。連係に乱れと、ED(手具の投げの交換)で落下。D9.500、E7.500 17.000。
6位アゼルバイジャン。いくつか連係に乱れがあった。とても美しい作品ではあるが、何度か見ているとあらが見えてくる。D8.500、E7.950 16.450
7位アメリカ。連係をやれない箇所とEDにバウンドの落下があった。D8.800、E7.500 16.300。
8位ベラルーシ。連係で落下があると、乱れが生じ、いくつかの連係が不成立となった。D8.500、E7.600 16.100。
日本は同点でありながらタイブレークにより表彰台を逃した。Time減点は、動き出しが早かったことで起きてしまったが、0.05の大きさをしっかりと肝に銘じ、改善しなければならない。また、Dは10.000と高い評価を得たので、今後は実施面において、キャッチの移動や不正確な受けなどを改善していくことで、まずは18点台到達をめざす。
出場選手:
杉本早裕吏
松原梨恵
横田葵子
竹中七海
鈴木歩佳
(熨斗谷さくらはケガのため不出場)
ボール&ロープの1位はイタリア。落下やキャッチの移動はあったが、D10.000、E8.700 18.700
2位はロシア。フープの種目には総合のときのミスで出場できなかったため、この種目に金メダルをかけた。ボールの両手キャッチが目立ち、連係でもキャッチに大きく移動。支持あり後方ローテーションやパンシェのバランスなどにも乱れが出て、D9.900 E8.200 18.100でなんとかメダルは獲得したが、金メダル獲得はならなかった。
3位はウクライナ。大きなミスは回避した。D9.300、E8.400 17.700
総合チャンピオンのブルガリアは、EDのキャッチの際にロープが場外。連係でキャッチミスが出ると、他の連係でもボールを落下。まとまりがなくなってしまい、D9.000、E8.100 Line減点0.300 16.800で8位となった。
W杯シリーズがはじまったばかりであるため、得点の傾向はまだ定かではないが、日本もしっかりとやりきれれば18点台に乗せられるだろう。
《個人種目別決勝》
皆川夏穂はフープのみに出場。
MGキックターンの動脚が下がり、支持あり後方ローテーションは1回転に。大きなミスはなく、美しさから言えば世界トップ1とも言えるが、BD(身体難度)の正確性とAD(得点価値がある手具操作)が少々足りない。D得点のUPが今後の課題である。
フープを制したのはロシアのSOLDATOVA。他の3種目は同じくロシアのDina AVERINAが金メダルを獲得した。
SOLDATOVAはハイレベルのBDで攻めるタイプであるが、今日は疲れからか、BDもあまり安定せず、R(リスク)などでも乱れが出てしまった。
対してAVERINAはADをこれでもかと入れてくるが、現在のルールに合っているのだと言えよう。
アメリカのZENGはフープとクラブで3位に。
韓国のSONのように、きっちりとした演技で表彰台を確実なものとしてきた。
次はW杯タシケント大会で、日本からは団体と皆川夏穂が出場する。
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