第69回全日本新体操選手権大会【女子レポート11/26】
大会2日目は個人総合後半2種目と団体総合2種目目の競技が行われた。
個人総合優勝の座に輝いたのは河崎羽珠愛選手、大会3連覇であった。
初日はフープのミスが影響し2位と出遅れたが、今日は2種目ともに安定した演技を披露し、河崎選手も目標としていた3連覇を達成した。
クラブでは、演技冒頭のDERを成功させ、その後も次々とプログラム通りに演技をこなす。
後半、シャンプ中に投げたクラブを少し乱れた形でキャッチしうまく処理した、しかしその後持っているクラブをポロリと落下。すぐに取り戻したため幸いにも大きな減点には繋がらなかった。
得点16.500。
リボンは会心の出来栄えであった。リボンの軌跡も良く見え、身体難度も軸にしっかりと乗り明確な実施であった。演技終末、DERのキャッチが絶妙なタイミングで成功し会場が沸いた。
得点17.200。
2位につけたのは柴山瑠莉子選手である。
クラブは演技序盤のバランスを明確に実施、随所にリスキーな手具操作を取り入れ次々と成功させる。しかし、演技中盤に2本投げのジョイントしていたクラブが外れてしまい、ジャンプ中の受けを落下。クラブが1本場外に出てしまった。その後はミスを引きずる事無く演技を終える。
得点15.600。
リボンの演技では柴山選手のメンタルの強さを見せつけた。ピアノの繊細な音楽に乗せて、演技序盤のDERを成功させる。バランス難度も明確にフォームが見え確実にプログラム通りの内容をこなす。ローテーション難度は正確かつ美しく実施できていた。足投げDERがやや前になってしまったが冷静に対応しミスには繋がらなかった。今大会2度目の17点台を叩き出した。
得点17.000。
3位は立澤孝菜選手。
クラブの演技は今大会最高得点をマークした。演技冒頭のDERを見事に成功させる。プログラム通りの演技を着実にこなし、8.7000点と高得点のDスコアを獲得した。関節可動域の広さは群を抜いており、ジャンプ、バランス、ローテーション難度の開脚度は目を見張るものがある。昨日は軸を取ることにやや苦労していたように見えたが、今日はしっかりと軸のとれた難度要素の実施であった。
得点17.250。
リボンの演技では大きなミスはなかったが、DERの投げが前に飛ばず上にあがりプログラム通りに実施できない箇所が数か所あった。しかし、クラブ同様に身体難度要素の実施は明確であった。
得点15.500。
入賞圏内は僅差の戦いであったが故に、ミスの許されない演技が要求された。4種目を通して我慢強く得点を積み重ねた選手に勝利の女神は微笑んだ。
そして、次世代を担うジュニア世代の選手たちの活躍にも今後注目したい。全日本ジュニア選手権から2か月と短期間で進化を遂げている。来年、どのように成長した姿を見せてくれるのか楽しみである。
明日は個人総合の結果より、各種目(4種目)上位8名の選手で種目別決勝が行われる。
団体総合の栄冠を手にしたのは東京女子体育大学であった。大会5連覇である。
昨日のリボン5は2位のスタート。演技序盤コラボレーションリスクを成功させ演技は波に乗る。DERや交換ではややヒヤッとする場面もあったがミスには繋がらなかった。交換やコラボレーションリスクには大きさを感じた。工夫された連係要素や動きの強さや大きさは会場を沸かせた。
得点16.050。
2位は日本女子体育大学。初日1位スタートであった。演技冒頭の連係を見事に成功させたが、続いてのバランス難度で1名の選手がクラブを落下。続いてパンシェのローテーション難度も1名の選手が不成立とミスが続いてしまった。演技終盤のコラボレーションリスクも落下。演技プログラムは工夫されており、団体同時性も感じる演技であっただけにミスが惜しまれる。
得点14.850。
3位はエンジェルカガワ日中丸亀。高校生で構成されているチームである。5名の身体能力が非常に高く、価値点の高い身体難度要素でプログラムされている。昨日のリボンではミスが目立ったが、フープ2+クラブ6の演技は完成度が高かった。演技終盤の連係で少し乱れが生じたが大きなミスなく演技を纏める。
得点15.450。
団体競技も個人競技同様に1つのミスが得点に大きく影響する。上位に入賞するためにはミスは許されない。
明日の種目別決勝はそれぞれの種目の上位8チームが出場する。
大会成績など