第31回オリンピック競技大会・新体操個人予選
新体操個人総合予選
8月19日個人総合予選が行われた。
予選には26名の選手が参加し、フープ・ボール・クラブ・リボンの4種目合計得点上位10名が決勝に進出する。
日本からは皆川夏穂選手が出場した。
予選終えて首位に立ったのはMamun Margarita (RUS)であった。1種目目のフープから気迫が伝わる演技を披露する。演技中盤、バランス中の足回しがやや不正確に見えたがミスには繋がらず、最後まで演技を纏めた。動きの繋ぎに無駄がなく次々と難易度の高い技をこなす。得点18.833。2種目目のボールはエレガントな演技で観客を魅了した。どの種目にも言えることであるが無駄のない計算された演技プログラムであり、Dスコアを確実に獲得しながらも情感豊かに作品を演じる。Dスコア、Eスコアともに9.500、得点19.000。
3種目目のクラブではフェッテのローテーション難度の際に持ち替えで落下し、クラブは場外に。得点17.500。4種目目リボンは気を取り直し予定されているプログラムをほぼ完璧にこなした。Dスコア9.550、Eスコア9.500、得点19.050。予選演技最高得点を叩き出した。
2位につけたのはKudryavtseva Yana (RUS)。正確な演技が定評のYana選手であるが、
1種目目から非常に表情、動きが硬く珍しくミスが目立った。フープでは背面で持ち替える際にフープが手から離れてしまい落下。得点18.166。2種目目のボールでは演技序盤のダンスステップコンビネーションの際にボールを落下。最小限の落下ミスにとどめ得点18.616。3種目目のクラブはミスなく纏めた。得点19.000。3種目目を終えた時点で一度首位に立ったが4種目目終了時に2位となる。リボンの演技、中盤までは完璧であった。中盤、ブーメランの受けでリボンの軌跡が少し乱れる。その後DERの受けが乱れる。演技終了後彼女に笑顔はなかった。得点18.216。
そして、3位はRizatdinova Ganna(UKR)。1種目目に真っ赤な衣装に身を包み堂々とフロアに入場。情熱的なスパニッシュを演じ切った。ローテーション難度、バランス難度は軸がビシッと決まり、確実にカウント出来たであろう実施であった。得点18.400。ボール、クラブともにローテーション難度も確実な実施で大きなミスなく纏める。ボール得点18.466。クラブ得点18.500。リボンではサンバの軽快なリズムにのせてステップを踏み会場を沸かせる。伸びやかでしなやかな動きと手具操作がとても丁寧であり、リボンも非常に遠くで扱われ良く動いていた。得点18.500。
4位 Staniouta Melitina (BLR)
5位 Son Yeon Jae (KOR)
6位 Vladinova Neviana (BUL)
7位 Rodriguez Carolina (ESP)
8位 Durunda Marina (AZE)
9位 Halkina Katsiaryna (BLR)
10位 Moustafaeva Kseniya (FRA)
上記の10名が決勝進出者となった。
日本から出場した皆川夏穂選手も健闘した。1種目目のフープではジャンプターンの2連続
の予定が1回になってしまい、フープの投げが若干大きくなる場面もあったが落ち着いて処理しミスには繋がらなかった。得点16.666。ボールはとてもしなやかに美しく演技を纏め得点17.341。クラブは軽快なリズムにのせて会心の出来栄え。得点17.500。最終種目リボンは演技序盤からとてもいい動きであった。身体難度も明確に見え伸びやかであった。演技終盤のDERで投げが真上に上がってしまった。得点17.016。
皆川選手は3種目で17点台を獲得。難度の精度、動きの大きさ、伸びやかさは引けを取らない出来栄えであった。東京オリンピックに繋がる戦いを見せてくれたと感じた。
決勝は持ち点なしのゼロスタートとなる。
メダルを手にするのはどの選手なのか目が離せない戦いとなるであろう。