第14回アジアジュニア新体操レポート2

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4月29日、第14回アジアジュニア選手権二日目は、個人国別対抗後半、個人総合予選、団体総合後半が行われた。
<団体総合後半>
団体総合は昨日と本日で同じ演技を2回行い、その総合点で団体総合を競う。
試技順1番は前半4位で折り返した朝鮮民主主義人民共和国。
昨日は場外キャッチのミスが出たが、今日はほぼミスのない演技を見せた。
非常に難易度の高い演技を繰り広げ、末端まで美しいラインを見せた。
以前のこの国の印象は、ギスギスした堅い印象であったが、今大会は動きも柔らかくすばらしい演技であった。15.033
試技順2番は前日2位のカザフスタン。
連係の足蹴りが乱れ、走ってどうにかキャッチ。
その後はリズムを取り戻し、複雑な連係をものにした。14.850
試技順3番はウズベキスタン。
交換でワンバウンドの落下があり、13.983。
モンゴル、マレーシアと終了し、試技順のラストは前日トップの日本(常葉学園中・高等学校)。
前日と同じく、日本チームは非常に明確な演技をした。
片手キャッチにも積極的に挑戦して、はつらつとした演技を見せた。
しかし、ラストのキャッチでポトリと落下。惜しいミスが出たが、全体的には持てる力を存分に発揮したと言えよう。
その時点でトップのカザフスタンの合計が29.483。
日本は14.466でカザフスタンに並ぶことになるが、電光掲示板に映し出された点数は14.817。
どうにか逃げ切り、金メダルを獲得した。
実力から言えば、朝鮮民主主義人民共和国、カザフスタン、そして日本であろうが、選手たちは抜群の安定感で勝利をものにした。
海外遠征はおろか、飛行機さえ乗ったことがない選手も多くいたが、堂々とした演技を披露した。
経験がすべてではないことを、彼女たちが教えてくれたような気がする。
明日は種目別決勝が行われ、2度目のメダル獲得に挑む。
<国別対抗後半、個人総合予選>
日本はボールの種目から。
トップバッターは山田愛乃。大きなミスもなくエネルギーのある演技であった。14.667
2番手は大岩千未来。
前半はエネルギッシュで、昨日よりもローテーションの安定感もあり、順調な滑り出しに見えた。
しかし、中盤のボールの吊り下げでのローテーションで、勢い余って、ボールが場外に。
予備手具を使用するべきだったと思うが、場外まで拾いに行き、11.633
喜田純鈴はていねいな演技であった。
パンシェのローテーションに入るときに、床の不具合を感じて、少し場所を移してローテーションに入ったが、5回転のスピードパンシェターンを見せて、会場を沸かせた。
DERでコースが乱れたが踏ん張ってキャッチ。
しかし、ローテーションが回りすぎたことなどから若干曲に遅れており、ラストのMで少々焦ったか、ボールが後ろに流れた。
うまくキャッチできずに、手具なしで演技を終えることになった。
美しい演技であっただけに残念であった。14.183
最終種目はクラブ。
ここまで2種目に安定した力を見せた山田であるが、クラブの演技は派手なミスが出た。
まずクラブの2本投げで、2本が大きく開いてしまい、2本とも落下。
ステップで落下すると、パンシェのローテーションで手つき、足持ちのローテーションではバランスを崩して大きく転倒。
10.950
大岩もMで落下すると、ジャンプキャッチで落下。ラストのDERでも落下して11.800
ラストの喜田はボールのミスから切り替えてきた。
いくつか細かい手具操作を抜き、ミスのない演技を目指したものであった。DERで上から押さえてのキャッチはあったが全体的には大きさもあり、15.333。
国別対抗は12演技中ベスト10演技の合計点で競われるが、日本は昨日の貯金もあり、団体と同じく逃げきりで銅メダルを獲得した。(表彰式は最終日)
本日は出場していないが、小池夏鈴は試合での成長が見て取れた。手具感覚も良いので、自信をひとつずつ蓄えていって、今後も成長を遂げてほしい。
山田は、試合に強い印象である。クラブは連鎖的にミスが出てしまったがその原因をしっかりと突き詰め、次につなげてほしい。膝下の美しさも改善していけば、もっと良くなるであろう。
大岩は今大会は気持ちを切り替えることができなかったが、美しい足先やラインの良さを持っている。
少し線が細すぎるように見え、体力的にも持っていないようにも思えるので、食べることも練習と考え、十分な栄養と睡眠で体作りを中心にやっていけば、安定した力が出せるようになるだろう。
喜田は短期ではあったがロシア留学で、難度の終末が良くなり、ダイナミックさも出てきた。
まだいくつかのミスが出ているが、うまくまとめる戦い方、あるいは挑戦する戦い方など、場に応じた戦い方を身につけていってほしい。
明日は個人種目別決勝が行われる。
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