第34回世界新体操選手権大会レポート3
現地9月9日、世界新体操選手権シュトゥットガルト大会3日めは個人総合予選3種目めが行われた。個人総合予選は国別対抗も兼ねており、本日からはクラブ、リボンともに国から3演技ずつ行うことになっている。日本からは早川さくら、皆川夏穂のほかに、クラブ、リボンのみに河崎羽珠愛が出場する。
日本勢の本日の種目はリボン。まずは河崎が白いコスチュームに濃紺のリボンで登場した。河崎はW杯ブダペスト大会前に膝を故障。大会を欠場し、続くソフィア大会は前半2種目だけ出場して、様子を見てきた。日本で行われたクラブ選手権においても、膝に負担のかかるパンシェターンなどはやらず、世界選手権に向けて調整してきた。その甲斐あって、ポディウムトレーニングの時には難度をすべて入れられる状態になっていた。
しかし、万全とは言えず不安の残る中での演技であったが、心配をよそに河崎はハツラツと演技した。途中、ももの部分にスティックをすべらせる技で、スティックが少し跳ね、落下するのではないかとヒヤリとさせたが、手具をよく見て対処。アチチュードやパンシェのローテーション、ドゥバンのフェッテローテーションなども、いつもより精度がよかった。ポディウムトレーニングでは何回やっても決まらなかったラストのDERもクリアに決め、16.783。国別対抗を戦う上で、素晴らしい働きをした。
その流れをつかんで皆川も、文句のつけようのない演技をした。投げの精度もよく、各DERのキャッチもクリアであった。得点は17.533で、フープの早川に続いて皆川も、17.500を超えてきた。
そして早川は、踏ん張りがきいた演技を見せた。出だしのDERの投げが若干戻り、2回目のDERは投げすぎてしまう。しかし、どちらもスティックの行方をしっかりと追い、キャッチした。アチチュードのローテーションは軸の乗りも良かったが、足持ちのローテーションは、終末で軸がズレてしまうなどといったミスはあったものの、よくガマンできた演技であった。17.200。決して思い通りにいかない場合でも、こうしてこらえる演技ができることが重要である。
早川は現在15位、皆川は17位。個人総合予選は、ベスト3演技の合計点で競われるため、明日の出来によって、順位が大幅に入れ替わる可能性がある。
国別対抗はフープ2演技、ボール2演技、クラブ3演技、リボン3演技の計10演技の中で、ベスト8演技の合計点で競われるが、日本は現在5位につけている。
3日めを終えて個人総合予選1位はロシアのMAMUN。ロシアはリボンの種目であったが、MAMUNは、DERのキャッチにわずかな余分な動きが入り、まだまだ良い時の彼女ではない。18.625。しかし、決勝に向けて合わせていくに違いない。
SOLDATOVAはDERの終末でリボンが体に絡んだが、落ち着いて対処した。18.150。KUDRYAVTSEVAは本来のリボンの流れではない箇所もあったが、大きなミスはなかった。18.950。ふたりとも2種目しか行っていないため、明日のクラブの種目が終了すると、恐らくKUDRYAVTSEVAがトップに立つと推測される。
現在2位は、ウクライナのRIZADINOVA。クラブの種目は、大きなミスもなく、相変わらずローテーションが素晴らしかった。18.416
3位は昨日と変わらず、韓国のSON。クラブのラスト、クラブを置いたところに投げたクラブと足で押さえる箇所がうまくいかなかったが、あとは安定した演技であった。17.933
4位はベラルーシのSTANIOUTA。予選1日目からすると、徐々に気合が入ってきた感じがするが、後半のDERでリズムが狂うと、少ししぼんでいった印象である。17.850
5位にはここまで大きなミスなくきているアゼルバイジャンのDURUNDAがつけている。
明日は個人総合予選最終日。前述したように、ベスト3演技の合計点により、個人総合決勝に進めるのは24名(各国最大2名)となる。
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