第6回アジア新体操選手権レポート2

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6月6日、アジア選手権2日目は個人国別対抗後半(クラブ、リボン)と、団体総合後半(ボール3&リボン2)が行われた。
個人国別対抗は、各種目3名の選手が演技し、計12演技中ベストの10演技の合計点で競われる。
まず日本は、リボンの種目から。トップバッターの山口留奈は非常に落ち着いており、手具操作もやりきろうとしているのが見える演技で15.767。
続く早川さくらも落ち着いていて、リボンの不正確なキャッチはあったが、身体難度の粘りが見えた。得点もD8.400、E8.567で16.967と、もう少しで17点台というところまで、一気に駆け上がった。
最後は皆川夏穂。最初からリボンに勢いがなく、リボンが身体に触って身体難度や技に影響する箇所が多かった。ローテーションも回転不足となったが、どうにか最後までしのぎ、落下をこらえた。リボンのすそが場外に出たのか0.3のペナルティがあり、15.400。
最終種目はクラブ。
まずは穴久保璃子。この日も硬さが出て、身体難度をきれいに決めたあと、2本を落下。そのあともクラブが手につかず、落下。DERも、投げが乱れてやらない場面もあり、自身の良さを出すことができなかった。14.300。
次は早川。なんでもないところでポロリと落下があり、他の箇所でも危ない場面はあったが、落ち着いて冷静に対処してふんばっていた。D8.450 E8.200 計16.650で、この日2度目の16点台。しかも16点後半に2種目を乗せることができた。ミスがなければ16点後半をとれる選手という印象は植え付けられたのではないだろうか。
最後は皆川。最初の足投げのDERが大きくなり、場外。そのあとは必死にこらえて取り戻したが、ラストのMで投げをミス。スライディングしたがキャッチすることができずに、場外に落下。最後は1本手具なしで終えてしまった。ペナルティが0.6で13.300。
個人国別対抗の1位は地元ウズベキスタン。RAKHMATOVAは4種目を通じてミスがなく、勝利に貢献した。
2位は韓国。SONはクラブのDERで取り損ねる場面があったが、リボンではクラブのミスを取り返し、18.433と、この日の最高点をたたき出した。
3位は中国。得点源のDENGは躍動感あふれる演技、しかも身体難度も正確な演技で、クラブではSONを上回る18.117を出したが、リボンのブーメランを取り損ね、ラストのDERでもミスが出て16.833。
4位がカザフスタンで、5位が日本と、前日と同じ結果になった。日本は皆川、早川の若手2人が4種目を行い、個人総合に2人が残れるかどうかが大きな課題であった。2人とも安定感はまだなく、浮き沈みが大きいが、この大会で初めて2人とも16点台に乗せることができ、ワンステップ上がれたと言えよう。
山口は2種目とも安定感のある演技をしてチームの力となった。穴久保は自分の力を出せなかったが、山口、穴久保はユニバーシアードの代表でもあるので、次はユニバーシアードで力を出し尽くしてもらいたい。
個人総合出場者は15名(各国最大2名)。
国別対抗戦のベスト3種目の合計で出場者が決まるが、早川は予選7位、皆川は予選11位で個人総合出場を決めた。(ウズベキスタンの選手が上位に3人おり、各国最大2名しか出場できないため、個人総合出場者の中では早川は6位、皆川は10位)。皆川は苦しい中でも我慢することができる部分が多くなっており、早川もリボンの種目では、ミスをした中国のDENGを抜いて3位となっている。明日の個人総合ではどんな演技を見せてくれるのか、非常に楽しみである。
<種目別決勝出場者も決定>
フープ:山口留奈と皆川夏穂
ボール:出場者なし
クラブ:早川さくら
リボン:早川さくら
団体総合後半はボール3&リボン2が行われた。試技順1番はカザフスタン。連係で落下ミスがあり、リボンにも結び目ができてしまった。バラツキが出て14.600。
2番は日本(フェアリージャパンPOLA)。音楽と内容を変更してから日が浅い作品ではあったが、落ち着いて演技し、クラブ10に続いて落下ミスを防いだ。D8.000 E8.500 計16.500で2種目とも16点台に乗せることができ、団体もワンステップ上がれたように思う。練習期間の短さから、凝った内容ではなく、難易度の高い連係も入っていないシンプルな内容ではあるが、まずは成功体験をするという目標は達成できた。
試技順3番は韓国。連係や交換で落下ミスが相次ぎ、11.933。
4番はウズベキスタン。キャッチの移動やフェッテピボットのバラツキなどはあったが、スピーディーな演技で16.300。
最後は中国。連係に若干のミスは出たが、連係の難易度も上げてきており、着実に力をつけていることがうかがえる。17.400。
クラブの得点との合計で
1位は中国
2位に日本
3位がウズベキスタン。
4位がカザフスタン
5位が韓国
という結果になった。
まだ中国との現在の力の差はあり、作品の中身の差もあるが、今回得た成功体験を力の源に、着実に上がっていってくれることだろう。今後は中身をより深く、難度や投げ技の精度を増していくことが課題。まずは明日とあさっての種目別決勝もミスなく終えられるように踏ん張ってほしい。
明日7日は個人総合決勝と、団体種目別決勝クラブ10が行われる。
クラブ10出場者
畠山愛理
サイード横田仁奈
加畑碧
杉本早裕吏
熨斗谷さくら
ボール3&リボン2出場者
畠山愛理
サイード横田仁奈
加畑碧
杉本早裕吏
松原梨恵