アジア選手権ほか代表決定競技会レポート1
4月20日21日、千葉ポートアリーナにおいて、第6回アジア選手権大会(個人)、第27回ユニバーシアード大会(個人、団体)の代表権をかけた戦いが繰り広げられる。
昨年ロンドンオリンピックを終え大幅にルール改正されて以来、全日本レベルの大会は今大会が初となる。
その為、日本のトップ選手達がどのように新ルールに対応しているか、それぞれの個性をどのように生かしているかに期待が寄せられる。
個人
1位 山口留奈(イオン)28.500点
フープ 大技に挑戦しているだけにミスが相次ぎ、山口選手の武器である難度も精彩さをかいたが、今まで以上に踊ろうという気持ちが前面に感じる演技であり、今後熟練度を増していくのが楽しみである(14.500点)。
ボール ジャズの曲に挑戦したこの作品では、まだ曲の雰囲気を表現し切れずミスマッチに感じる場面も見受けられたが、転がしの落下ミスだけにとどめこの種目でも首位を守った(14.000点)。
2位 穴久保璃子(イオン)27.600点
フープ ふとした瞬間に手具が手から離れ動揺してしまったのか、続くジャンプ難度でもミスがあり点数を伸ばすことが出来なかった。しかし、以前にも増した自己主張を感じる動きは、曲の力強さを引き出していた(13.400点)。
ボール 転がしの落下ミスが惜しかったが、その後大きく崩れる事なくまとめあげた。しかし、このムーディーな曲を表現するには、少し動きが強すぎるように感じられた。今後、この微妙な力加減をコントロール出来るようになれば、更に様々な表現が出来るようになるであろう(14.200点)。
3位 大貫友梨亜(東京女子体育大学OG)27.000点
フープ 大きなミスはなかったものの、どこか手具が手についていない印象を受けた。その為、作品全体を通して見た時に伝えたい事が表現し切れずに終わってしまったように思う。以前よりも表情が豊かになった大貫選手だけに、このような些細なことも目につくようになったのであろう。(13.750点)。
ボール 転がしの滑らかさはどの選手よりも秀でており、熟練度を増したその手具操作は曲の繊細さをより鮮やかに表現出来ていたように感じられた(13.250点)。
1日目を終え4位につけたのは、昨年までフェアリージャパンで活躍していた田中琴乃選手(日本女子体育大学)。今まで見たことがないような田中選手の清々しい表情は印象的であり、2種目共にミスなく踊り切った姿は経験の深さを物語っていたように感じられた(フープ12.950点 ボール13.650点 計26.600点)。
団体 クラブ10
1日目、1位に躍り出たのは東京女子体育大学(15.400点)
交換での大きな移動、二本投げ交換での落下ミスがあり、作品としての完成度は低かったように感じる。しかし、動き一つ一つの力強さは群を抜いており、代表権を獲得したいという揺るぎない強い思いが集結した演技であった。
前回ユニバーシアード初出場を果たし益々勢いを感じる日本女子体育大学は、15.150点を獲得し、この種目を2位で終えた。
公式練習ではミスが続き心配する場面もあったが、本番では大きなミスもなく会場を沸かせるほどの出来であった。また、権利がかかった試合にも関わらず、観る者の心を躍らせるほど選手達自身も楽しく踊っていた姿は圧巻であり、相当な練習量をこなしてきたことが窺えた。
明日も代表権をかけ、最後まで気の抜けない戦いになるだろう。