2015新体操W杯ロシア大会レポート3
大会情報・結果へ
現地8月23日、W杯カザン大会は、団体、個人種目別が行われた。
〈団体種目別決勝・リボン〉
試技順1番で登場した日本(フェアリージャパンPOLA)。2箇所ほど危ない箇所はあったが、落ち着いて、美しく演技した。ラストの4本投げも移動が少なく、17.450。昨日のフープ&クラブに続き、リボンでもチーム最高点を獲得した。
試技順2番の中国は、DERでミス。前半にばらつきも見られ、16.250
試技順3番イスラエル。パンシェでぐらつくと、そのあとの投げのタイミングにズレが生じる。そこからリズムが狂ったのか、リボンに結び目ができ、予備手具に差し替えて演技した。イスラエルに珍しくミスが出て、16.250
試技順4番ベラルーシ。交換の移動、連係の移動が多くなり、日本と同点の17.450
試技順5番ブルガリア。ほぼミスのない演技で17.700
試技順6番イタリア。交換で移動。他の交換では3人が大きく移動。身体のスキもあり、16.750
試技順7番ロシア。フェッテで跳びがあり、連係でも大きく移動。後半になると両手キャッチも多くなる。17.950
試技順8番スペイン。連係の移動は少々あったが、総合のときより良い演技であった。しかし得点が伸びずに17.250
1位はロシア
2位にブルガリア
3位にはベラルーシと日本が入った。
これまでW杯でメダルを獲得したことはあるが、それらとは違い、今回はもぎ取ったメダルのような気がした。もちろん、イタリアなどのミスに助けられてはいるが、ブダペスト、ソフィア、カザンと、演技の内容が徐々に良くなり、それに合わせて、ジリジリと得点が上がってきた。その積み重ねによるものである。選手が毎回の試合を大切にやってきた結果がこうして現れてきたのだと言えよう。
〈団体種目別決勝・フープ&クラブ〉
試技順1番ウズベキスタン。軽快なリズムに乗り、ほとんどミスはなかった。17.050
試技順2番ベラルーシ。ベラルーシも大きなミスはなかった。17.850
試技順3番日本。全体的にはクリアな演技だったが、連係でキャッチした後に、ポトリとわずかに落下。それでも17.400が出て、完全に格がひとつ上がったことを感じる。
スペイン。身体難度にばらつきはあったが、メリハリのきいた演技で17.500
ブルガリア。交換に移動があったのと、アチチュードのローテーションがくずれ、17.700
イスラエル。連係の投げが短くなり、キャッチしようとした選手と後ろ向きにいた選手が衝突。手具も落下。リズムが悪くなり、終了時間もせまったために焦りが出たのか、フープにひっかけていたクラブがこぼれて、2本のクラブが選手と接触しないまま、ポーズとなった。15.400これまで何戦も落下ミスを防いできたイスラエルだけに、これほど大きなミスは見たことがないが、世界選手権までには修正を図ってくるだろう。
イタリア。さほど大きなミスはなかったが17.550
ラストはロシア。相変わらず、恐ろしい回転数で飛んでくるクラブのキャッチの対応におわれ、しゃがみこみながら、のけぞりながらのキャッチが多かった。交換でも1人が大きく移動したが、なんとかキャッチした。18.100
結果1位ロシア
2位ベラルーシ
3位ブルガリア
4位イタリア
5位スペイン
6位に日本
7位ウズベキスタン
8位イスラエル
日本は6位ではあったが、上位国との差を着実に詰めてきている。また、少しのミスが出たことは、世界選手権前の出来としてはかえって良かったと思う。まだまだ練習をしなければならないと、気持ちを新たにできるからである。
日本チームは、個人はモスクワで、団体はサンクトペテルブルグで合宿を行ったのち、シュトゥットガルト入りをする。それぞれ課題は違うが、美しく、クリアに演技することの積み重ねでしか成功の道はないと信じ、胸を張って世界選手権に臨んでほしい。
レポート 山﨑浩子