2015新体操W杯ブルガリア大会レポート3
現地8月16日、W杯ソフィア大会種目別決勝。
〈団体種目別決勝・リボン〉
1位ロシア。前半の連係で落下があり、そこから慎重になったのか、リボンの両手キャッチが多数見られた。しかし、身体能力の高さで1位を死守した。18.250
2位ブルガリア。DERでのステップ、連係での若干の移動はあったが、曲の強弱に合わせたメリハリの効いた演技で17.950
3位イスラエル。連係での移動はあったが大きなミスはなく、17.350
4位日本(フェアリージャパンPOLA)。DERでリボンの裾を踏み、回転をひとつやめて対処。他は移動も少なかったが、そのミスにより、わずかに3位に届かなかった。17.200
5位ベラルーシ。連係で落下。連係や交換での移動が多く見られ、ざわついた印象であった。17.050
6位スペイン。交換が大きくなり、キャッチはしたが、リボンの裾が場外。交換での移動も見られ、16.750
7位ウクライナ。交換で移動。連係での落下があり、16.700
8位ウズベキスタン。出だしから体にリボンが巻きつき、交換で落下。DERや連係でも移動のステップがあり、16.350
〈団体種目別決勝・フープ&クラブ〉
1位ロシア。しゃがみながら、のけ反りながらのキャッチはあるが、フープのころがしの中をジャグリングするなど難しい離れ業を成功させ、18.500
2位イスラエルとブルガリア。イスラエルはほぼミスなし。ブルガリアは連係で落下があった。17.500
4位日本とウクライナ。日本はほとんどの箇所を成功させながら、簡単なフープの床ころがしが短くなり、そこでリズムが悪くなった。その後リズムを取り戻したが、17.250。ウクライナは連係で移動があり、同じく17.250
6位ウズベキスタンとベラルーシ。ウズベキスタンは交換での移動はあったが大きなミスはなかった。17.050。ベラルーシは出だしの連係の投げが後ろに戻り、選手をまたぎ越したまま、どうにかキャッチした。直後の連係ができず、交換でも落下。連係でも移動が多く、リズムを取り戻せないまま終了した。17.050
8位アゼルバイジャン。交換での移動と、ラストの連係で落下。16.500
日本は2種目とも4位という成績で、あとわずかでメダルを手にできたと考えると悔しさが募る。しかし、作品のこなしはクリアになってきており、評価も上がってきている。続くカザン大会でもベストを尽くし、17点中盤の点をもぎ取りたいところである。
〈個人種目別決勝〉
個人総合に続き、種目別でもすべてに優勝したのはロシアのKudryavtseva。ボールのみ、逆手キャッチが乱れてジャンプができない箇所があったが、他の種目は完璧で、難度の精度、手具操作の精度が素晴らしい。大人っぽい表現も板についてきており、今後ますます魅力的になっていくだろう。
Mamunはフープとリボンで2位に。ボールではMのころがしで操作を誤り、場外まで出るという大きなミスが出てしまった。
ボールの2位はベラルーシのStaniouta。クラブの2位はSoldatova。3位はいずれの種目もウクライナのRizatdinovaが入った(フープはStanioutaも同点3位)。
韓国のSonはどの種目も大きなミスはなく、18.300、18.350の点を並べたが、表彰台にわずかに届かなかった。どの選手もここにきて精度を上げてきており、わずかなミスも少なくなってきている。Sonは自分のプログラムを完璧にこなすことで高評価を得ているが、みんなが完璧にこなしてくると、少し表彰台が遠のく感じである。しかし、どの選手もプレッシャーがかかるのは同じこと。我慢くらべとも言える大会が続く。
日本選手団はこのあと、世界選手権前の最後の大会、W杯カザン大会に出場する。
レポート 山﨑浩子