2015新体操W杯ブルガリア大会レポート1
現地8月14日、W杯ソフィア大会初日は、個人総合前半(フープ、ボール)と団体総合前半(リボン5)が行われた。
〈個人総合前半〉
世界選手権前の大会としてはソフィア大会とカザン大会に出場する早川さくらはBグループに登場。最初の種目ボールは、DERの投げが少し戻ったが落ち着いて対処。若干動きの小ささはあったが、なめらかな演技で17.300を獲得した。
2種目めのフープでは出だしの、起き上がりながらの軸回しで落下。少し取り戻しに時間がかかった。しかし、直後のアチチュードのローテーションや、他の難度、技はきれいに決め、16.800。あと少しの注意力が必要であるが、ボールより動きの伸びやかさが見えた。
Aグループで登場した河崎羽珠愛。膝の故障でブダペスト大会は棄権したが、河崎としては世界選手権前の最後の国際大会となるため、回復具合を見て、出場することにした。自分自身、コンディションにまだ不安が残っているのか、フープの出だしは消極的な感じがした。DERの投げが真上に上がり、後ろに戻る形でキャッチ。が、そこからはパワーを取り戻した。心配されたパンシェのローテーションもうまく入ったため、落ち着いたように見える。15.900
ボールは同じく出だしのDERでつまづいた。投げはそれほど悪くなかったが、キャッチしたかに見えたのち、ボールがこぼれてしまう。ジャンプでのキャッチも不正確になる場面があり、15.400
明日の2種目もできる状態ではあるようだが、無理をせずにいきたいところである。
〈団体総合前半〉
本大会には、ロシア、ベラルーシ、地元ブルガリア、スペイン、イスラエル、ウクライナ、ウズベキスタン、ドイツ、アゼルバイジャン、フランスなど、強豪国、中堅国も多数参加し、19カ国での戦いとなった。
Bグループの3番で登場した日本(フェアリージャパンPOLA)は、前半のDERのあたりで、リボンに結び目ができてしまった。しかし、ほどかずに演技を続行。リボンの描きや、投げにさほど影響せず、キャッチの移動も少なかった。ラストの4本投げは移動が出てしまったが、成功。新体操の難しさをよく理解しているブルガリアの観客からも、惜しみない拍手が送られた。得点も17.300が出たが、こうしてクリアな演技を続けること以外に、得点をジリジリと上げる術はない。
前半1位はロシア。キャッチが不正確になった箇所、手にリボンが巻きついていた箇所があったが、18.450
2位ベラルーシとブルガリア。ベラルーシは交換の移動、連係での歩きなどがあったが、なめらかな繊細な演技を披露した。対してブルガリアは地元の歓声に乗り、ダイナミックでキレのある演技であった。ともに17.800
4位はイスラエル。移動も少なく大きなミスはしない。何試合もミスなく演技できており、学ぶべき点である。17.550
5位にスペイン。交換で若干の移動があり、身体難度が少々不明確である。17.300
6位に日本。スペインと同点であるが、実施点が日本の方が低いため、順位も低い。
7位にウクライナ。交換で3人が移動。17.150
8位ウズベキスタン。交換で少し乱れがあり、連係で若干の移動があったが、勢いのある演技であった。16.900
以下、ドイツ16.700、フランスとスイス16.100と続いている。久々に試合に出場したアゼルバイジャンは、前半の3本投げで3本のリボンが絡み、長く解くことができなかった。やっと解けても、連係で落下するなど良いところがなく、13.400。しかし、難度のやり方は以前より良くなっているため、巻き返しを図ってくるだろう。
明日は個人総合後半のクラブ、リボン、団体総合後半のフープ&クラブが行われる。
レポート 山﨑浩子