2015新体操W杯ブダペスト大会他レポート3
現地8月9日、W杯ブダペスト大会最終日は、個人競技と団体競技の種目別決勝が行われた。
<団体種目別決勝・リボン5>
試技順6番で登場した日本(フェアリージャパンPOLA)。
DERのキャッチが不正確となり、ラストの4本投げも移動があったが、全体的にはクリアな演技をした。しかし、なかなか得点が表示されず、組織委員会から演技のやり直しの通達が。申告書が用意されていなかったという組織委員会側のミスで、試技順のラストにもう一度演技することになった。
そのやり直しの演技では、DERの部分、連係で投げすぎていた部分は修正されたが、交換で、リボンのすそが空中で軽く接触したために引き戻され、不正確なキャッチとなり、ラストの4本投げはリボンに4本のリボンが入らず、投げずに終了した。ミスの印象としては、やり直しをする前の演技の方が良かったが、何回やってもミスなしでやれるようにならなければならないのであろう。また試合で演技する機会を多く与えられたと、良いほうにとらえよう。得点は16.450で5位となった。
1位はロシア。リフトでのキャッチでリボンが体にからみ、連係での不正確なキャッチ、交換の移動キャッチなどはあったが、17.650。
2位はベラルーシ。連係での移動キャッチは多かったが、なめらかな動きを繰り広げた。17.350
3位はイスラエル。キャッチの移動も少なく、ほぼミスのない演技であった。17.250
4位はイタリア。連係で落下。途中結び目ができて、結び目をほどかずにそのまま演技を続け、終了した。16.450。日本と同点であるが、実施の点がイタリアのほうが高かったことにより、イタリアが4位、日本が5位となった。
6位はウクライナ。投げる前にリボンが体にからみ、3人がやるCRR(連係)を一人やらなかった。また交換での移動キャッチもあった。16.250
7位はフランス。CRRの投げが真上に上がり、やらず。交換の移動、ジャンプターンなどの難度もクリアではない。16.100
8位はウズベキスタン。団体総合の時には勢いがあったが、なんでもない箇所でリボンを離してしまうと、直後の交換をやれず、後半もガタガタと乱れてしまった。15.300
<団体種目別決勝・フープ2&クラブ6>
日本は試技順のラストに登場。昨日落下ミスした箇所は、キャッチがまだまだ正確ではなかったが、全体的にキャッチの移動も少なく、17.200。5位となった。
1位はイタリア。フェッテピボットでの跳びはあったが、勢いのある演技をした。17.650
2位はベラルーシ。連係での、若干の移動キャッチはあったが、落ち着いた演技を見せた。17.600
3位はロシア。パンシェのローテーションでの乱れ、連係での落下、交換での移動キャッチなどがあり、1位の座を明け渡した。ベラルーシと同じ得点であったが、実施の点がベラルーシより低かったために3位となった。
4位はイスラエル。ほぼミスなしの演技を見せ、どのチームよりも安定感を感じさせる。17.250
5位が日本で6位はウクライナ。出だしの連係で移動はあったが、他の部分は大きなミスはなかった。17.100
7位はウズベキスタン。連係で落下が出てしまった。16.500
8位はフランス。連係の足投げで、場外。予備手具に差し替えた。難度もクリアではなく、15.150
日本は、メンバーと作品の中身を変えた中で、まずまずの演技であった。他のチームと比較すると、難度が見やすい部分も多い。あとは、もっともっと自信を持って演技することと、動きの部分の大きさがほしいところである。
<個人種目別決勝>
フープとボールを制したのはロシアのKudryavtseva。ボールでは逆手キャッチやころがしキャッチを多用し、誰もが「すごい」と感嘆する出来。2種目ともただひとり、19点台に乗せた。
クラブでも大技小技、織り交ぜて、神業のような演技を行っていたが、逆手キャッチで落下。4位に沈んだ。
替わってMamunが1位に。パンシェのローテーションや他の難度もクリアで、ほぼ完璧な演技を見せた。
リボンは、総合の時にミスがでたKudryavtsevaではなくSoldatovaが出場したが、DERでの乱れなどいくつかミスが出て7位に。MamunもDERでの移動があり、2位に。
この種目を制したのはウクライナのRizatdinova。出だしのピルエットは軸の乗りが良く、動脚のポジションが変化しても、まったく軸がぶれることがない。パンシェのローテーションだけやや乱れたが、ダイナミックな演技で1位の座をもぎとった。
ベラルーシのStanioutaはフープ、ボール、クラブで3位に。これまでの試合は落下ミスが多かったが、世界選手権に向けて、調整がうまくいっているようである。
日本チームは、このあとW杯ソフィア大会に移動するが、大会を積み重ねながら、自信も蓄積していきたい。
レポート 山﨑浩子