W杯ベラルーシ新体操国際レポート
7月13日、W杯ベラルーシ国際(ミンスク大会)初日は、団体総合が行われた。オリンピックに出場する12チームのうち9チームが参加し、まさにオリンピック前哨戦と言える。
試技順2番ボールの種目に登場した日本(フェアリージャパンPOLA)は、前半から中盤と安定感のある演技を見せた。課題であったフェッテの動脚の高さも、どうにか保て、良い滑り出しであった。しかし、最後のミックス難度での、視野外キャッチで2人が落下。直後の大ジャンプの交換が正確に行えず、大減点となった。キャッチに心配があった箇所だけに「やはり」という思いであるが、構成を見直すのには良い機会となった。
リボン&フープは、「座頭市」の音楽に変更して初めての試合であるが、練習では各国の審判員、コーチから「変更して良くなった。とても気に入っている」という言葉をいただいた。
本番では前半にリボンとフープが若干絡んだが、すぐに対処。あとは落ち着いて良い演技を見せた。だが中盤のフェッテピボットで、リボンをからめ、直後の大ジャンプ投げができず、その直後の交換まで影響が出てしまった。ラスト間際のミックス難度の前でもリボンとフープがからみ、投げがうまく行えない。
最後の交換でも投げが大きくなって、リボンの端が場外してしまい、後半の乱れが大きかった。リボンの描きが弱く、そこからのミスが多かったと言える。9チーム中、総合は8位であった。
1位はロシア。
ボールでは交換から座でのキャッチで落下。最後のリフトでのポーズもうまく決まらず、この種目では2位。リボン&フープでも交換に乱れはあったが、身体能力の高さと美しさで総合1位をもぎとった。
総合2位はベラルーシ。
ボールではほぼミスのない演技を見せてロシアを下し、リボン&フープでも若干の手具操作ミスはあったが勢いのある演技を見せた。
3位はスペイン。
ボールではジャンプでの交換に乱れがあり、リボン&フープでも若干の落下ミスはあったが、エネルギーのある演技であった。
4位はイタリア。
ボールではコラボレーションで若干のミス。リボン&フープでもコラボレーションで落下とミスが出た。
5位にはイスラエルが入った。
ボールは交換で落下。リボン&フープは途中リボンに結び目ができたが、大事には至らず27点台をマーク。
6位はウクライナ。
ボールはほぼミスのない演技。リボン&フープはコラボレーションで落下したが、身体難度の精度は非常に良い。
7位はドイツ。
ボールは最初の連係で落下。リボン&フープでは不正確な受けと、手具同士の軽い接触がいくつか見られた。また少々エネルギーのなさが感じられた。
8位が日本で、9位がカナダ。
両種目ともさほどミスのない演技であった。
日本はあまりにもミスが多く、戦いにならなかったが、ミスの割には点数が出ており、まだ戦える余地は残っていると言えよう。ボールのミスした箇所は構成を変更する予定。リボン&フープのミスは、リボンの描きを注意することで修正できるであろう。
オリンピック本番前に明確な課題を手にすることができ、また「もっと練習せねば」という危機感を与えてくれたことも感謝したい。
明日は個人総合、明後日は種目別決勝が行われ、日本はボールのみに出場する。