W杯イタリア新体操国際レポート3
現地4月15日、W杯イタリア新体操国際ペサロ大会最終日は団体種目別決勝と個人種目別決勝が行われた。
(団体種目別決勝=ボール)
試技順一番はロシア。まだ会場が落ち着かずザワザワとした雰囲気の中、登場した。だが、伸びやかな難度と広がりのある投げ受けを見せ、若干のキャッチの移動はあったが、ほぼミスのない演技を見せた。
試技順二番はドイツ。やはりキャッチの移動はあったが、目立ったミスはなかった。
そして試技順三番のイタリアは、非常にスピード感のある連係を次々と披露した。耳をつんざくような歓声を浴びながら、リズムに乗り素晴らしい演技を見せた。しかし、ラストポーズでキャッチミス。ボールが場外まで転がっていき、手具なしで演技を終えることとなった。
深いため息の中、日本(フェアリージャパンPOLA)が登場。昨日のリボン&フープの悪い流れを断ち切れるかが課題であったが、今日はサイード横田仁奈も出場し、全体的に伸びやかに演技した。リフトがらみのリスクで投げが乱れたりもしたが、うまく対処し、大きなミスを回避した。
次はイスラエル。相変わらず手堅い演技を見せる。
ベラルーシもほぼミスのない演技を見せた。
ギリシャはなんでもないところで一箇所落下。
フランスは大きなミスはなかったが、少しバラバラとした印象だった。
結果は
1位ロシア
2位ベラルーシ
3位イタリア
4位イスラエル
5位日本
6位フランス
7位ギリシャ
8位ドイツ
(団体種目別決勝=リボン&フープ)
試技順一番はイスラエル。フープとリボンが絡みそうな箇所はあったが素早く外し、事なきを得た。大きなミスなし。
二番はウクライナ。連係で二本のフープを投げ、一本は転がし、一本はキャッチする場面で、転がしがうまくいかず、直後のリフトはやらなかった。ラストもプログラム通りにはいかなかった。
試技順三番はフランス。エネルギーもあり、ミスのない演技だった。
試技順四番はロシア。前半の交換で、空中でフープとリボンが接触。リボンが持って行かれて、乱れた。直後に連係が入っているため、連係でもフープが乱れて、なんとかフープをキャッチ。そこからは踏ん張ってなんとかリズムを取り戻そうとした。しかし、後半の交換でまたもや空中接触。リボンが引っ張られ、走ってなんとかキャッチしたが、続く連係でミス。その直後の連係でも、リフトでフープを打ち返す場面で、前ではなく後ろにフープが行ってしまい、落下。最後までリズムに乗りきれず、ミスをした場面では何がどうなってミスしているのかもわからないほどになってしまった。25.550。ロシアほど連係を複雑にしていると、こうなっても仕方がないと思えるが、そういう新体操をやろうとしていることには敬意を表したい。
続いてイタリア。ボールは3位に甘んじたため、ここで何とか金をとりたいという空気が会場中に充満する。そしてイタリアはあぶない箇所はあったがほぼミスのない演技を見せて、ラストポーズをすると、あちらこちらから絶叫が響き渡った。28.200
そのなんとしてもイタリアに金を!という空気はずっと続き、その中で演技したスペイン、ベラルーシ、ドイツはいずれもミス。特に昨日良い演技を見せたスペインは、前半の連係でリボン同士がからみ、連係を行えず、後半の交換でもリボンの投げをミス。場外まで飛ばしてしまい、その投げをミスした選手はあわてて自分がキャッチするリボンも落下させてしまった。その後フェッテピボットもバラバラになり、24.850の得点となった。
1位イタリア
2位ベラルーシ
3位イスラエル
4位フランス
5位ウクライナ
6位ドイツ
6位ロシア
8位スペイン
3位になったイスラエルは、日本とさほど力の差はない。上位が大きなミスをする可能性もあるということは、どの国にもメダルの可能性があるとも言える。その可能性を信じて、投げ受けの正確性を増し、難度の精度を上げていきたい。
フェアリージャパンPOLAはこのあとモスクワ入りし、その後W杯ペンザ(ロシア)大会に出場する。