第31回世界新体操選手権モンペリエ大会現地レポート4
現地9月22日、第31回世界新体操選手権モンペリエ大会4日目は、個人総合予選の最終日となった。
日本勢の最終種目はリボン。
山口留奈は、最初のピボット投げからのキャッチが、若干不正確になった。連続投げでも、思い通りの場所に投げられず、少々D2を抜いたが、全体的には大きなミスもなく、よくがまんできた。今大会は身体の難度に問題はなかったが、投げが不安定になり、がまんが続いたが、よく最後までこらえたと言えよう。リボン25.700。3種目合計76.950。
大貫友梨亜は、リボンの前半すばらしい演技を見せた。見せ場のフェッテでは会場から拍手も起こり、余裕のある演技だった。しかし、中盤のエシャッペ投げで、キャッチが不正確になり、そこの取り戻しに時間がかかった。後半は難度が甘くなり、ラストのリスクも落下し、悔しい最終種目となった。試合への合わせ方にはベテランらしさがあったが、全体的にフェッテ以外のピボットの回転数が少なくなったり、難度面をクリアにすることが重要であろう。リボン23.950。3種目合計75.700。
中津裕美は大きなミスはなかった。出だしのピボットもきれいにはまったが、中盤から後半にかけてのピボットが、はやめにかかとがついたり、見えづらくなった。また投げが真上に上がり、リスクをやらない箇所もあった。全体的には、観客に見せるという点では、迫力もあり、人目を引く。ピボットも、はまれば美しいラインが出せるが、はまらない時の方がまだ多く、コンスタントに難度を正確に実施できるようにすることが課題であろう。リボン24.750。3種目合計75.300。
個人総合決勝進出のために日本勢としのぎを削っているルーマニアのPISCUPESCUは、非常にパワフルな演技を行った。難度もとりやすく、26.300(リボン)。3種目合計でも78.200となり、山口を上回った。
もう一人、ドイツのJUNG Lauraは、出来が良ければ、山口の上を行くことが予想された。3日目までは46位と下位にいたが、3種目合計となればぐんと浮上することが目に見えていたからである。そして予想通りほぼミスなく演じ、クラブで25.700。3種目合計77.175で、山口の上に浮上した。
こうなってくると、アゼルバイジャンのGURBANOVAがミスをしない限り、山口の総合決勝進出が難しくなってくる。
ところがGURBANOVAは、リボンが足に絡み、リスクも切れ、ラストのリスクも落下して24.525 。3種目合計76.625で山口の下に転落した。
結果、山口は個人総合予選26位。しかし、各国最大2名までしか個人総合決勝に進出できないため、ロシアとウクライナ、2名の選手が消え、山口は最後の一枠で個人総合決勝進出を決めた。
今大会でオリンピックの切符を獲得するためには、個人総合決勝15位内に入ることが必要であるが、現状ではかなり厳しい。それでも試合は何があるかわからない。個人総合予選でがまんの日々を乗り越えた山口であるだけに、決勝では守りに入らず、持てる力を十分に発揮してほしいものである。
明日の個人総合決勝進出選手は、ロシアのカナエバ、コンダコバ、ベラルーシのスタニュータ、チャルカシナ、ウクライナのマキシメンコ、ブルガリアのミテバ、アゼルバイジャンのガライエバ・・・こういったお馴染みのメンバーのほかに、韓国のSON、中国のDENG、そして山口留奈らが出場する。