第31回世界新体操選手権モンペリエ大会現地レポート2
現地9月20日、第31回世界新体操選手権モンペリエ大会二日目は前半の2種目目が行われた。日本の山口留奈、大貫友梨亜、中津裕美の3選手はボールの種目。
山口は、出だしの柔軟からの投げが予定より後ろに行き、ボールを突き返す手具操作を省いたが、そこからは気持ちを切り替え、最後までふんばった。難度も正確で、25.750という点数を得た。
大貫は全体的には大きなミスもなく乗り切ったが、身体の難度(D1)が思うように加算されず、24.850。バランスの精度が若干甘くなったと思われる。
中津も落下ミスはなかったが、ピボットが1回転や半回転になってしまった箇所、パンシェターンが1回転になったなど、やはりD1が伸びず、24.575。
2種目を終えて、山口が24位、大貫が30位、中津が32位につけているが、個人総合予選は4種目中ベスト3種目の合計で競われるため、まだまだ挽回の余地がある。
現在1位をキープしているのはカナエバ(ロシア)。多少フープが流れても(思い通りのところに投げられなくても)いっさい慌てず、何事もなかったかのように処理をしていた。フープが止まっている瞬間がなく、投げたフープをキャッチしたと思うとすぐに次の技に移行し、いつでもフープが身体と戯れていたり、宙に舞っていたりする。実に見事な手具さばきである。29.300
出来としては、むしろカナエバより良く見えたコンダコバ(ロシア)は現在2位。いまがまさに”旬”といった感じで、エネルギーのあるアグレッシブな演技であった。 体軸の乗りも良く、ジャンプの高さもある。身体もキレており、観客からの拍手もひときわ大きかった。29.250
3位はガライエバ(アゼルバイジャン)。ボールは、パンシェターンが少し不安定になったが、大きなミスなく演技した。27.950
4位はチャルカシナ(ベラルーシ)。フープの種目で、リスクのキャッチが不安定になった箇所はあったが、全体的に力強い演技で27.650。
5位には堅実な演技でリプキン(イスラエル)がつけており、そのあとをスタニュータ(ベラルーシ)が追っている。スタニュータはフープで、中盤の投げの乱れはうまく対処したが、リスクで小さな落下ミスを犯し、27.375。
マキシメンコ(ウクライナ)はボールではほぼミスのない演技で、7位に。ミテバ(ブルガリア)は、得意のボールで、頭の後ろ側でキャッチする技で落下。しかし、よどみない美しい演技で8位につけている。
明日は大会3日目、3種目目に入るが、初日にミスを犯して下位に沈んだ選手が今日の種目では高得点を得ていたりして、まだまだ順位も混沌としている。
4種目総合点ではなく、ベスト3というところが鍵となるであろう。最後まで気の抜けない戦いが続いているが、クラブやリボンはミスが出やすく、個人総合決勝進出(24位まで)争いも、いよいよ目が離せなくなってきた。