2011アジア新体操選手権現地レポート2
■団体
現地6月16日、アジア選手権2日目団体総合リボン&フープが行われ、日本は25,800で、昨日のボール26.950とのトータルで金メダルを獲得した(52.750)。
滑り出しは非常に良く安定感があったが、中盤のリスクがらみのコラボレーションで、フープをキャッチミスして場外。フェッテバランスには間に合い、その後もがたつくことなく演技を終えたが、投げは安定していただけに悔いの残るミスであった。
中国は前半は投げ受けにも乱れはなかったが、中盤に落下ミスや、フープとリボンの空中での接触により、2つとも落下するというミスが発生し、後半は流れが全く見えなくなってしまった。
カザフスタンやウズベキスタンにも多くのミスが出たことと、もともとの実力は日本が大きく上回っていることにより危なげなく勝つことができたが、世界選手権を考えると、こうしたイージーミスは回避できるようにしていかなければならない。
■シニア個人決勝
シニア個人総合には山口留奈と大貫友梨亜が出場。
先に登場した山口は、昨日、もぐりキャッチでミスをしたボールからの演技であったが、今日は踏ん張り、26.500。
大貫はクラブから。
昨日より動きのキレは良く、出来としては非常に良かった。難度が見えづらい箇所があるため26点にはわずかに乗らず、25.950。
2種目目、山口のクラブ。
リスクでのキャッチで落下ミスしたが、すぐに取り戻して26.300.
大貫の2種目目はリボン。
この種目も非常に落ち着いて演技していたが、フェッテピボットでわずかに跳び、25.950。
3種目目の山口のリボンは、最初のピボットでの投げ返しで落下。連続投げでも落下と山口らしからぬミスで25.800。
大貫のフープは後半の座での転がしキャッチ直後に、わずかに落下。もぐりキャッチでも体勢が崩れ、25.950。
最終種目、山口はフープ。
リスクでD2をやらない箇所はあったが、全体的にはうまくまとめ26.700。
大貫のボールは中盤のバランスのユニットがはまらなかったことと、ラストのリスクで落下し、その後が手間取ったために25.050となってしまった。
しかし、大貫の試合への照準の合わせ方は非常に良く、ベテランらしい戦い方を見せてくれた。難度が見えづらい箇所を改善することで、点数の伸びは期待できるであろう。
山口は多少消極的に見える場面があった。6月5日に行われたコントロールシリーズ第2戦では4種目ともエネルギーのある演技を見せており、今大会でも表彰台に手が届くところにいただけに、もう少し積極性がほしいところであった。だが、難度のはまりは良いので、その点は高く評価されている。ここ最近手に入れつつある動きの大きさを再構築することで、世界への扉を開けてほしいものである。
■ジュニア個人
ジュニアは後半2種目(クラブ、リボン)が行われた。
クラブでは皆川、早川にミスが出たが、皆川は昨日より落ち着いており、徐々に自分の演技ができてきた感がある。池ヶ谷も昨日より動きが大きくなり、クラブはうまくまとめた。
リボンは3人とも大小のミスが出たが、難度の質は他の国にひけをとらない。今後多くの経験を積んでいくことで、世界レベルに達して行くであろうという希望が持てる選手たちであった。
結果、ジュニアの国別対抗も銅メダルを獲得し、個人総合以外の各カテゴリーでメダルを獲得することができた。総合力があることが日本の強さ。しかしそれは突出したものがないとも言える。
明日の最終日は種目別ファイナルが行われ、団体は両種目、個人競技もジュニアは池ヶ谷、早川、シニアは山口、大貫が出場するが、突出した強さを得ていくために、ひとつでも多くのメダル獲得を目指してがんばっていきたい。