2011アジア新体操選手権現地レポート1

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 現地6月15日、第5回アジアシニア選手権、第12回アジアジュニア選手権一日目が、カザフスタンのアスタナで開催された。
■団体
 初日の今日は団体総合1種目め(ボール5)、ジュニア国別対抗前半(フープ、ボール)、シニア国別対抗が行われ、日本は各カテゴリーで大活躍を見せた。
 まず団体総合1種目め、ボール5では、日本はほぼミスのない演技であった。若干動きに堅さが見られたが、交換の移動やバラツキも少なく、うまくまとめられたように思う。
26.950
 中国はコラボレーションのリスクで転び、ボールを落下。交換時にも細かい落下があり、25.800。現在2位につけている。
 3位で折り返したのはウズベキスタン。落下ミスが響き25.000。
 開催国のカザフスタンは中盤で2個のボールが落下。そのうちのひとつは場外まで転がり、予備のボールを差し替えるという大減点となり、現在4位に沈んでいる。23.350
 続いて行われたジュニアの部では、一番手の皆川夏穂に若干ミスが出たが、最後までふんばった。早川さくら、池ヶ谷晴香は落ち着いた演技を見せ、前半2種目で3位(池ヶ谷)と4位(早川)につけている。また各国1名ずつ出場できる種目別ファイナルにも、フープでは池ヶ谷が、ボールでは早川が出場予定である。
■シニア個人。
 国別対抗では各種目3演技ずつの、計12演技中ベスト10の合計で競われるが、今回日本は、コントロールシリーズ第2戦で26点台を出した山口留奈と、日本代表選考会トップの大貫友梨亜が4種目を行うことにした。そしてフープとボールを中津裕美が、クラブとリボンを穴久保璃子が演技するという布陣で臨んだ。
 最初の種目フープでは、中津、大貫、山口ともにすばらしい演技を見せた。特に山口は難度もぴったりとはまり、エネルギッシュな演技であった。どの選手も消極的な部分はなく、全員が26点台に乗せて、さい先の良いスタートを切った。(中津26,000、大貫26.500、山口26.900)
 続く中津のボールの演技は、非常に判断が良かった。投げは乱れているが、それを感じさせないぐらい身体を適応させ、安定感のある演技だった。25.600
 大貫は座でのころがしで落下。投げミスでリスクが切れる箇所もあり、25.900。
 山口はもぐりでのキャッチで落下して、26.075。
 3種目めのクラブでもいくつかミスが出た。
 穴久保は身体のころがしで2回落下。難度の見えにくい場所もあり、24.600。
 大貫も最初の首キャッチで落下。山口ももぐりキャッチで落下と、クラブに関しては全体的な出来が悪かった。
 ただ大貫のフェッテピボットは軸の乗りも良く、山口も難度はきちっと決めているため、大貫25.400,山口26.150と踏ん張っている。
そして最終種目リボン。
 穴久保は落下はなかったが、難度のはまりが悪かった。24.650。
 約15分ローテーションで4種目を演技するというハードなスケジュールであったが、大貫、山口が最後の踏ん張りを見せた。ふたりともスピーディな演技を行い、大貫26.500,山口26.825と最後をきっちりと締めた。
 世界のトップ10に入れる力を持っているカザフスタンのALYABYEVAは全種目ほぼミスがなく、28点台の高得点でチームを牽引。国別対抗はカザフスタンが金メダルを獲得した。
そして日本が2位。
 TROFIMOVAをようするウズベキスタンは日本の上に行くと思われていたが、どの選手もミスが多く、3位。
中国は伸びやかな演技のDENG SENYUEが一人気を吐いたが、総合力に欠け、4位であった。
 日本はコントロールシリーズの成果が確実に出ている。難度は見やすく、D1、D2においては高い評価を得ている。課題であった芸術、実施も徐々に改善されつつあるように思う。
 明日は個人総合決勝(上位15名が出場)が行われ、現在4位につけている山口と6位の大貫が出場する。またジュニアは後半2種目(クラブ、リボン)が行われ、ジュニアチャンピオンが決定。 団体は2種目め(リボン3&フープ2)が行われ、優勝チームが決定する。