第63回全日本新体操選手権2日目女子レポート

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 20日、第63回全日本新体操選手権大会の個人総合後半種目(ボール、リボン)と団体総合後半種目(リボン3&ロープ2)が行われた。
<個人競技>
 個人総合では前半トップに立っていた山口留奈(イオン)が、先に演技を終えた。ボールでほぼミスのない演技を見せ、難度の精度も良く、スピード感も以前より増しているように思う。
 リボンでは連続投げのところでキャッチミスが出て、次の投げができなかった。その部分が結果的に不正確な受けとなったが、全体的には4種目を通じて安定感のある演技であった。
 前半戦を2位で折り返した大貫友梨亜(東京女子体育大学OG)は、リボンの転回でのキャッチで少しリボンを踏み、ピボットではかかとが早く床についてしまった。ほかにも投げが乱れた箇所はあったが、判断力が良かった。ミスの被害を最小限に抑えるところはさすがである。
ボールでは序盤の柔軟の難度にぐらつきが出たが、気持ちを落とすことなく最後まで踊りきった。フェッテピボットのスピード感や精度、動きの緩急などすばらしい演技で、26.000。国内の公式大会では初の26点獲得に、会場からは大きな拍手がわいた。
 そして大貫は、このボールで総合逆転優勝。春先から守り続けていた国内1位の座を明け渡すことはなく、また全日本では初の栄冠を手にした。
2位には山口が入り、世界選手権出場組がワンツー。
 前半戦3位の穴久保璃子は、リボンの種目では歯切れのいい演技を見せた。音楽にも良く乗り、エネルギッシュでもあった。しかし最終種目のボールで、足キャッチで場外。そのあともパンシェバランスを整えるのに手を床に着いてしまったりして、21.350。メダルを逃し、5位に沈んだ。学生選手権の時にも3種目までトップを走りながら最終種目でミスを犯して優勝を逃したが、難度の精度は上がっているので、4種目目までの集中力が必要であろう。
 代わりにメダルを獲得したのは、日高舞。
 リボンは落下ミスが出てしまったが、ボールはスピード感とパワー溢れる演技であった。
 リハビリから復帰して間もないが、昨年の世界新体操選手権三重大会時のコンディションを考えると、数段良くなっていると言えよう。
 4位には全種目を伸びやかにこなした三澤樹知(東京女子体育大学)が入った。団体競技から個人競技に戻ってきて、フレッシュな演技で観客を魅了した。
 6位は小西夏生(イオン)。
 ボールでは転回キャッチで少々ミスし、ほかにもいくつか不安定なキャッチが見られた。リボンでも難度が崩れた箇所があったが、長身を生かした演技で、昨日から順位を二つあげた。
 7位には中津裕美(東京女子体育大学)が入った。リボンではからまりとキャッチミス、ピボットの不正確な実施があったが、ボールでは独特な世界観を見せ、24点台に乗せた。
 8位は山本千尋(明治大学)。リボンで落下したもののミスを最小限に抑えたが、最終種目のボールでは足キャッチで場外。順位を落としたが、踊り心を見せてくれた。
<団体競技>
 団体総合は後半種目のリボン3&ロープ2が行われた。
 前半でトップに立っていた日本女子体育大学は、1カ所落下ミスがあったものの、交換はほぼ成功させ、流れのある演技で24.625。
 昨日と合わせて、48.875となって、東京女子体育大学の演技を待つ形となった。
 その東京女子体育大学は、序盤の交換で投げをミス。フェアリージャパンPOLA卒業生、原千華がよく反応してキャッチしたが、大きく移動してしまった。
 その後はどうにかこらえて、キレのある演技を見せた。
 東京女子体育大学が25.175を出せば、日本女子体育大学に並ぶこととなったが、結果は24.900。
 合計は48.600で、結局昨日のミスが響き、0.275の僅差で連覇を成し遂げることができなかった。
 日本女子体育大学は、団体総合では昭和52年(1977年)の第30回大会で優勝して以来、2度目の優勝となった。
21日は、種目別決勝が行われる。