第30回世界新体操選手権・モスクワ大会現地レポート

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 20日から4日間をかけた個人総合予選が、23日に終了した。日本はコントロールシリーズで26点台を獲得した山口留奈(イオン)、大貫友梨亜(東京女子体育大学OG)の2名が参加したが、二人とも「良くやった」という印象である。
 1種目目のロープは、大会が始まってまだ場が落ち着かない試技順5番目に山口が、7番目に大貫が登場した。二人とも小さな操作ミスはあったものの大きなミスはなく、まずまずの滑り出しをした。
山口24.750
大貫25.350
 特に大貫はD1を9.00に乗せたが、9.00に乗せているのはトップグループのわずかな選手たちであり、ここにコントロールシリーズを戦い続けた成果が現れているような気がした。
 2種目目のフープは、一日目のロープより地に足が着き、山口も25点台に乗せて25.050を獲得した。この大会の点数の出方を見ると25点を取ることはそれほど簡単ではなく、初出場の山口は冷静に試合をこなしていた。
 大貫もフェッテピボットの軸も良く、エネルギッシュな演技を見せて、ロープと同じ25.350を獲得した。
 3種目目のボール。ふたりとも、コントロールシリーズではこの種目で26点台を獲得したのであるが、山口はさすがに難度の切れも良く、すばらしい演技を見せた。しかし、最後のリスクでボールをキャッチミス。24.225の得点となってしまった。
 大貫は、若干緊張が見られ、もぐり回転で少々バランスを崩してしまったが、最後までよくこらえ、25.200。3種目目も25点台に乗せて、個人総合決勝進出にぐんと近づいた。
 予選最終日の今日はリボンの種目。
 ベスト3種目の合計で競われる予選のため、1種目はミスが許される。山口もこのリボンの種目は得意種目であり、昨日のボールを挽回できるチャンスである。
 そして山口は大きなミスなく多彩な投げ技を披露した。しかし、ユニットのピボットでかかとがついたためかDの得点が思ったほど伸びず、24.875で25点台に乗せることができなかった。
 大貫は、中盤の投げをミスして落下。その後もリズムが悪くなり、24.200。
 3種目の合計点で大貫が75.900。山口は74.675。
 結果、大貫は個人総合決勝に進み、山口は0.225差で決勝に進むことができなかった。
 個人総合予選トップはカナエバ(ロシア)。2位にコンダコバ(ロシア)。
3位にチャルカシナ(ベラルーシ)がつけているが、カナエバとコンダコバはもはや誰も追いつけない領域に行った感がある。
 難度の精度、手具操作の複雑さ、音楽と動きがマッチした芸術性、どれをとっても文句のつけようがない。
 ルールを把握し、使いこなし、その上で芸術的に見せるロシアは、いまや新体操の理想的な姿を見せている。
 明日24日は個人総合決勝に残った24人(各国最大2名)でチャンピオンが決定する。
結果