第7回アジア新体操選手権大会レポート2
6月11日、アジア選手権2日目は団体総合後半(フープ&クラブ)と、国別対抗後半が行われた。
<団体総合後半・フープ&クラブ>
試技順1番中国。キャッチの移動や大きなミスもなく、演技を終えた。17.200
試技順2番日本(フェアリージャパンPOLA)。昨日のリボンでは中国と同点であった日本。5月のW杯タシケント大会ではフープ&クラブの得点が17.350であり、中国を超えるには、ミスなくやることがポイントだった。前半はリズムも良く、落ち着いた演技。しかし、中盤のフープをくぐり抜けてからのキャッチで落下してしまい、16.750。金メダルを逃した。
試技順3番はウズベキスタン。全体的に落ち着いた演技で17.050。総合点では日本にわずかに届かず、3位。
試技順4番はカザフスタン。ダンスステップコンビネーションで落下があり、16.050。
試技順5番は韓国。交換で落下。ラストの連係でも、回転をした選手がフープをキャッチしないなどのミスが出て、14.850。
結果、
1位中国
2位日本
3位ウズベキスタン
4位カザフスタン
5位韓国
と、2013年に行われた第6回アジア選手権と同様の結果となった。その当時は、中国の方が力がかなり上であったが、今回の結果は悔しい2位である。
ミスがひとつも許されない状況であることは間違いなく、それゆえにプレッシャーがかかるのはどの国も同じ。緊張感の中でも良いパフォーマンスができるよう、練習を重ねていかなければならない。
<国別対抗後半・クラブ、リボン>
国別対抗は各国3名~4名、10演技中ベスト8演技の合計点で競われる。10演技の中身は、フープ2演技、ボール2演技、クラブ3演技、リボン3演技。早川さくら、皆川夏穂は4種目とも行うので、残りのクラブ、リボンを河崎羽珠愛が演技するというチーム編成である。
その河崎は両種目とも伸びやかに演技した。少しの躊躇も見えず、はつらつとした演技であった。アチチュードローテーションの終末が、形が不明確になってしまうなどの難度の問題はあるが、現地点での彼女の持ち味はしっかりと出せたと言える。クラブ16.450、リボン16.600
昨日、フープもボールも落下ミスがあり、思うような力が出せなかった皆川。しかし、クラブではしっかりとやりきった。出だしのDERでプログラム通りにはいかなかったが、そこで気持ちを切ることなく踏ん張り、17.350。本来の力を見せた。
リボンでは中盤までこらえたが、DERのキャッチが不正確に(スティックではなく、リボンをキャッチ)。スティックを手に取り戻そうとしたが、焦りからかすぐに取り戻せず、リズムが戻るまでに時間がかかってしまった。16.700
クラブ以外はミスが出てしまった皆川であるが、肩の故障からの復帰を考えると、よく踏ん張った方である。選手の身体的精神的状況を見ながら技を調整していくことも必要であるし、そういった面での課題も与えてもらったと捉えよう。
前日、すばらしい演技を見せた早川は、この日も安定感のある演技であった。特にクラブでは、アチチュード、パンシェのローテーションが3回に届き、17.600。リボンでもDERの投げは決して良いとは言えなかったが、反応も良く17.550。4種目を通して落下ミスがなく、冷静であった。
結果、ベスト8演技の合計で、日本は4位に。前回大会の5位から、ひとつ順位を上げた。しかも3位のカザフスタンとは0.15差。前回大会では、早川が16点台後半に乗せられたことに喜んでいる状況であったが、2年が経ち、ふたりの成長には目を見張るものがある。いまの実力からすると、表彰台が目の前にあっただけに、団体と同様に個人も悔しさが募る。
世界選手権までさほどの時間はないが、今回の悔しい結果を生かすも殺すも、今後の取り組み方次第。最後に笑うために、大きな課題を与えてもらったと思い、リスタートを切ろう。
国別対抗1位はウズベキスタン。NazarenkovaとSerdyukovaの二人が得点源となっただけではなく、3人目の選手も16.950(クラブ)、16.900(リボン)と高得点を出し、層の厚さを見せた。
2位は韓国。Sonはクラブ、リボンとも大きなミスはなく、また実施減点の少ない演技で、18点台に乗せた。他の2選手も16点台中盤の点数を出し、大きな穴を作らなかった。
3位はカザフスタン。3選手とも落下ミスはなく、安定した力を見せた。
4位が日本で、5位が中国。中国は大きな得点源のDENGが不在で、またいくつかのミスも出たために、前回3位から順位を落とした。
この国別対抗の結果により、個人総合決勝出場者(各国最大2名で上位15名)と種目別決勝出場者が決定。13日に行われる個人総合決勝には早川さくら、皆川夏穂の両選手が出場し、明日の種目別決勝には、早川は全種目、皆川はボール以外の3種目に出場する。
レポート 山﨑浩子 6月10日レポート1へ