全日本ユースチャンピオンシップ(女子決勝)レポート4
華麗なる・ 煌めく若き花たちの競演
第8回全日本ユースチャンピオンシップもいよいよ最終日を迎えました。この全日本ユースチャンピオンシップは2003年に第1回の大会が開催されてから多くの選手たちがチャレンジできる大会として人気を集めてきました。参加人数も増加してこの大会で活躍した選手たちの中からオリンピック選手や、世界選手権大会の候補選手も輩出されました。素晴らしい軌跡をたどってこの大会から夢のオリンピックへ通じる素敵な選手が続々と出現していけると期待が大きく膨らみます。
この大会での発見は、美しさへのあこがれからかレオタードが華やかで美しくなったこと、もともと日本人の得意であったジャンプ力が失われていないこと、ジャンプに柔軟性を伴った難度が取り入れられるようになったこと、さらにこれまで苦手の難度であったピボット(回転)が上手になってきたことです。柔軟性が優れてきたことでピボットの難度にも生かされてきました。美にあこがれ、美を追求することは美しい選手への一歩となります。また苦手であった難度を克服していくことも選手たちの大きな希望になると思います。煌めきのある選手たちのこれからを期待したいと思います。
個人総合の結果です。世界選手権大会候補選手の山口瑠奈選手(イオン)がロープとフープでは25点代をマークして伸びやかさのある確実な演技で総合優勝を飾りました。同じく世界選手権大会候補選手の小西夏生選手(イオン)がダイナミックでミスの少ない強さのある演技を見せて2位になりました。杉本多賀江選手(みなみ新体操クラブ)はロープでは少しミスが出ましたが、他の種目では難度を確実に実施して3位を獲得しました。4位には三上真穂選手(安達新体操クラブ)5位に成松エリナ選手(町田RG)が入りました。個性的な選手では6位の田中美朱選手(藤村女子高校)のピボットが確実によく回るスピーディな演技は印象的でした。フエアリーJAPANのBチームに選ばれた選手も決勝には残りましたが、今後ますます成長して個人選手としても活躍してほしいと思います。そのほかにもスタイルの美しい選手、リスク要素の得意な選手、確実に成長している選手たちもいたことが良かったと思います。
全体的には難度に伴う手具操作の確実さが不足している面がありました。これから筋力や調整力などを高めて、音楽に合った動きや表現の豊かな演技の実施に向けてトレーニングしていくとより素晴らしい選手に育っていくと感じました。
このユースチャンピオンシップ大会に出場した選手たちの中に、未来に輝ける大きな可能性を感じました。決勝に残れた選手も、また残念ながら残れなかった選手たちにもまだまだ希望があると思います。この大会で培った力と勇気はオリンピック大会や、世界の大会で活躍する夢につながると思います。