第39回世界新体操選手権大会レポート2
2日目 個人予選後半戦
【喜田純鈴】 予選32位
・リボン 27.900 (D12.300 A 8.050 E7.550 )
会場に向かう姿には、いつもより厳しい表情と高まる緊張感を感じられたが、決して悪い緊張ではないように思えた。
前半、身体難度も正確に決まり体に染みつくまで踊りこんだステップで会場を魅了、喜田選手のエネルギーを感じられた。中盤のリスクで投げが乱れたが上手く対処したものの、ラストのリスクで投げが大きく前に流れ、つま先にスティックが触れるとこまで間に合ったがスティックがこぼれキャッチとはならなかった。
・クラブ 28.400 (D12.200 A8.100 E8.100)
クラブの作品は、得点を上げるためアジア選手権後にボレロの曲に変更し、国際大会では初めて披露する場となった。
スタート、ボレロ特有の繰り返されるリズムに合わせDAやリスク、身体難度、ステップを正確に決め、ボレロの世界感を全身で表現できていた。
終盤に向け少しずつ広がっていく音の重なりに合わせ、動きや技が心地よく合わさり美しい旋律となった。最後の爆発的な音と共にリスク、DAが決まり感動的な演技で幕を閉じた。
さまざまな思いを抱え挑んだ大会であったが、喜田選手のすべてが出し切れた演技となった。
【山田愛乃】 予選33位
・リボン 27.550(D12.000 A7.750 E7.800)
昨日の試合疲れがあったものの、出番が近づくにつれ調子を上げ本番を迎えることが出来た。スタートから晴れやかな表情で、持ち味の大きさを感じられる部分が随所に見られた。大そりジャンプでの投げ、リスクの投げに乱れはあったが、上手く対処し最後まで落ち着いて踊り抜いた。全体的にリボンの投げや操作の精度を上げていくことが課題である。
・クラブ 25.650(D11.500 A6.700 E7.450)
前半は落ち着いて演技出来ていたが、中盤からリズムが崩れ2本投げのDAにて落下、ラストのリスクも投げが乱れたが素早く対処し演技を終えた。
技術的に改善する部分はたくさんあるが、世界選手権という大舞台において臆することなく演技を行うことができ、成長を感じられる試合となった。今後、本番だけではなく練習においてどれだけ質の高い練習を詰めるかが、さらなる成長の鍵となるのではないだろうか。
今回の世界選手権大会において、3種目合計で上位18位が総合決勝(17日)に進める。
最後まで諦めず全力を尽くした日本の両選手だったが、ミスが響き決勝に駒を進めることが出来なかった。
平均29点台をだすことが決勝進出の必須条件であり、ミスをしないだけでなく身体難度のレベルアップはもちろんのこと、曲を生かしたオリジナルの技や表現が欠かせない。そして、抜き出た身体能力、または巧みな手具操作、表現力がなくては上位に食い込めない厳しい現状である。
来年の世界選手権では、何としてでも決勝に進み互角に戦えるよう精進していきたい。
明日は団体総合が開催される。最後まで挑戦的に力強い演技を見せきりたいと思う。