2024SASAKICUP新体操ユース 男子個人レポート

報告者:日本体操協会 男子新体操委員会

5月24日 男子個人予選(スティック・リング)

2024年5月24日~26日、高崎アリーナにて今年もユースチャンピオンシップが開催された。
大会初日は個人予選、2日目は個人決勝、3日目は団体と目が離せない。
個人競技予選は全国から集まった83名が演技し、2日目の決勝に上位20名が進出する。そして個人は上位6位、団体は上位3チームに(既に出場権利を獲得している選手は除外)全日本選手権の出場権も与えられる。選手たちの熱い演技に注目したい。

さて、まずは個人競技だ。
本大会の注目選手を紹介する。
大本命は、何と言っても昨年度一年生で本大会を制した、山本響士朗(高田高等学校/三重選抜)だ。3月の高校選抜でも優勝し実績共に申し分ない優勝候補筆頭。
そこに待ったをかけたいのが、試技順1番で登場する、東凰雅(禁断ノ華実/鹿児島実業高等学校)。高校選抜では山本に続く2位となり調子は上向きだ。
更に、高校選抜3位入賞した長瀬羚(大垣共立銀行OKB体操クラブ/済美高等学校)、川原爽空(北海道恵庭南高等学校)、矢島優聖(青森山田高等学校)達も虎視眈々と上位を伺う。
そして全日本ジュニア2連覇の丸山一休(大垣共立銀行OKB体操クラブ/済美高等学校)、第2位の村山颯(国士舘高等学校)もいよいよ高校デビューとなりどのようにこの上位に絡んでくるかも注目だ。

決勝進出者を決める予選競技はスティックとリングの2種目。
予選をトップ通過したのはやはり大本命の山本響士朗であった。2種目共に17点台を超える点数を獲得し2位に1.225の大差をつけて決勝に駒を進めた。その背中を追う第2位につけたのが長瀬羚。2種目共に安定した演技と爆発的なタンブリング力を武器に圧巻のノーミス演技を披露した。3位には村山颯がつけた。一種目目のリングでは16.900の点数を獲得し見事高校デビューを果たしたが、スティックではもったいない落下もあったがこの順位につけているあたりがポテンシャルの高さを伺わせる。その村山に0.025差で4位につけるのが丸山一休。村山とはジュニア時代から常に競い合ってきた。このライバル対決からも目が離せない。

5月25日 個人決勝決勝(ロープ・クラブ)

本年度のユースチャンピオンシップ個人総合王者が決した。
大会を制したのは山本 響士朗。大本命が最初から首位を譲ることなく見事に大会連覇を果たした。
昨今の男子新体操個人競技は技が高度化し加点要素も増えてきた。そのため選手たちは難しい技に挑戦し高得点を得ようと試みるが、反面大きなミスに繋がり結果として点数を下げてしまうことにも繋がる。
しかし、優勝した山本は他の選手と比較しても安定力が優れている。高い難度を実施しても余裕をもってこなすことができるため、安心して見ることができる。そのため見る者は演技のより深いところまで堪能することができる。これは選手にとって大きな武器となり審判からも高得点を引き出すことができる。この安定度を持っている限り、これからの大会も山本を中心に展開していくことだろう。
STOP THE 響士朗!を成し遂げるのはいったい誰になるか注目していきたい!

そして今大会のもう一つの注目ポイントは「誰が全日本選手権の出場権利を獲得したのか?」だ。決勝競技参加者の上位6名には11月に開催される全日本選手権の出場権が与えられる。しかし、3月の高校選抜で既に権利を獲得している、山本、長瀬、東、川原、矢島は除外される。そのため今大会で出場権を獲得したのは

第3位 丸山 一休
第4位 村山 颯
第7位 加藤 慧士
第8位 中澤 陸
第9位 岩﨑 彪雅
第10位 関戸 銀児

が出場権利を獲得した。
その中でも、第8位の中澤はまだ中学3年生。日本最高峰の舞台である全日本でも最年少選手として精一杯の演技を期待したい。

大会結果はこちら