FISUワールドユニバーシティゲームズ(新体操)レポート③

報告者:日本体操協会

新体操 3日目(報告者:今大会代表コーチ 秋山エリカ,藤綱江津子,小野田桂子)
個人種目別 フープ・ボール・クラブ・リボン
団体種目別 フープ5・リボン3+ボール2

●個人 鈴木 菜巴 選手
・フープ
最終日で会場内もさらに盛り上がっており空気感が違った。予選よりも動きがややかたくなり、身体難度も一部ゆるさが出てしまった。落下はなかったがステップの直前フープの操作がいつも異なり、とっさに動きを変更し、途切れることなくつなげる事ができたのは大変良かった。
冒頭のリスクが成功すると、大きな拍手が湧き、技が成功するたびにさらに増していく。これまで想像もしなかった盛り上がりに自信が湧いてくるのを実感した。
得点 30.900 5位

・クラブ
予選でやりきれなかったバランスのコンバインDBにおいて、再び同じ実施となってしまった。続くイリュージョンのリスクで、動揺が残ったまま入ってしまい、手元が狂い落下。このような場合でも、キャッチできる練習は積んでいたが、ほんの一瞬の躊躇で大きなミスにつながった。
予選よりも動きは良くなり、演技を重ねるごとに観客の反応が増していく事を実感した。
得点 27.150 8位

・リボン
最終種目となり思いきりやる事を覚悟し臨んだ。予選では大きく投げてしまった最初のリスクがきまり、目標とした事を最後までやり抜く事ができた。リボンはこれまでにない選曲にチャレンジし、試行錯誤を重ねた。結果、芸術点において、鈴木にとって今大会最高点となる8.2の評価を頂けた。その時の実施度も、芸術点には大きく影響する事を、改めて実感した。
得点 28.650 5位

ユニバーシティゲームズという、素晴らしい大会を経験させて頂きましたこと、感謝申し上げます。皆様のあたたかい応援が支えになりました。ありがとうございました。

●個人 松坂 玲奈 選手
松坂は種目別ファイナル全種目(フープ・ボール・クラブ・リボン)の4種目に残った。

・フープ
フープは、総合の時のガタつきを全て修正し難しいリスクも正確にこなした、表現力豊かに自分の世界を観客にアピールする演技を見せた。
得点 30.200 6位

・ボール
ボールは個人総合でも安定した演技を見せたか、更に難度の実施がはっきりと見え、スピード感ある堂々とした演技で得点を伸ばした。日本調の音楽は観客受けもよく、会場の空気も掴むことが出来た。
総合の時より得点を伸ばした。
得点 31.200 6位

・クラブ
クラブについては、昨日いくつかの技を抜かしてしまったが本日は全てプログラム通りにこなし満足の行く演技であった。
種目別クラブでは銅メダル獲得!
得点 30.800 3位

・リボン
リボンは大変良い演技であったがドバンフェッテの所でスピードが出過ぎた事でリボンが絡んでしまい2点の得点を失った、そのミスがなければ金メダルが見えていただけに残念な結果となった。
得点 27.700 7位

松坂は、種目別4種目、疲れを見せることなくパワフルに演じ切った。リボンのミスは残念ではあったが、直ぐに修正して出来るミスであり、4種目を確実に演じる精神力があると感じる。また試合度胸もよく今シーズンは全ての国際大会で表彰台に乗っている。
今日のファイナルも3種目30点を超える点数を出しており海外での評価は高い。特に芸術についての評価が高く、全ての種目において芸術の評価は参加選手の中で最高のポイントを得ることが出来た。
現在、国内で表彰台に乗ることは少ない選手であるが海外では活躍できる力を感じている。

●団体
こうしてこの大会が開催され、この場で演技できたことを幸せに思う。関わってくださったみなさんに感謝します。大雨の中、暑い中、安心して大会に臨めるよう、環境を整えてくださるボランティアの方をみて、私達も大会成功に向け、自分達に出来ることをやり切ろうと強く思った。

・フープ5
自分達の演技をやり切ることができた。この作品には「私達は全世界の平和を祈っている」とのメッセージを込めた。報道関係者から注目を浴び、絶賛された。メダルを獲ることも大事にしたが、まずは選手達の個性を生かし、生き生きと演技できることを心がけてきた。選手と一緒に新体操を通して、全世界にメッセージを送ることが出来たことを嬉しく思う。
テクニカル面では場外に手具を出してしまう大きなミスを出してしまった。
また、最も大きな得点を持つ連係が2箇所ミスにより得点できなかったことが惜しまれる結果となった。
得点 28.500 2位

・リボン3+ボール2
この作品は「バットマン」の音楽を中心に構成されている。「悪を暴き、正義を貫く」をテーマにした。
表現することにとても時間を要したが、この音楽に対する評価はとても大きく、高い評価を得た。
得点 27.900 1位

今大会で引退する選手が多いチーム構成であったが、金メダルを獲得することが出来、良い新体操人生の足跡を残すことが出来た。また、新体操人生をかけて、粘り抜くことが、未来へのステップとなることを伝える姿を後継に残してくれたことに感謝している。
さらに、諸外国との交流を深める大会であった。
結びにチームジャパンとして「団結」することを学ばせてもらえたことに深く感謝をし、この試合を締めくくることとする。
JOCスタッフ、ドクター、関係者、応援してくださった皆様に心から感謝してやまない。貴重な機会を与えていただきありがとうございました。

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日本体操協会