2018新体操日本代表選考会・大会2日目レポート
第36回世界選手権大会、第18回アジア競技大会日本代表選考会が4月21日~22日に高崎アリーナで行われた。
世界選手権代表の1枠とアジア競技会代表4枠を競い2日間にわたり熱い戦いが繰り広げられた。(世界選手権代表には個人特別強化選手の皆川夏穂選手と喜田純鈴選手、団体はフェアリー ジャパン POLAが既に決定している。)
見事世界選手権代表の座に輝いたのは大岩千未来選手(イオン)。前半2種目で首位に立った大岩選手は、2日目の4種目を終え総合得点で首位を守り切った。
クラブでは演技冒頭のAD(手具の難度)を成功させ、伸びやかに演技が展開される。しかし演技序盤の小さいクラブの連続投げで落下が生じた。その後はリズミカルな音楽に乗せて大岩選手の魅力が十分に活かされた演技で会場を魅了した。ジャンプ難度は以前よりも高さと強さが備わり、ローテーション難度も回転数やフォームは諸外国の選手に引けを取らない実施であった。得点14.600
リボンは演技冒頭のDERを受ける際に少し移動が生じたが成功させる。そして演技序盤でリボンに結び目が出来るがすぐにほどきその後はプログラム通りの演技をこなす。演技全体を通してリボンにもっと張りが欲しい印象を受けた。リボンはなかなか得点が伸びにくい種目であるが故に世界選手権に向けて課題の種目であろう。得点13.500
2位には河崎羽珠愛選手(イオン/早稲田大学)。(アジア競技大会代表)
クラブでは演技中盤のADで落下が生じたがローテーション難度の回転軸は決まっていた。リボンではベテランの貫録をみせ、この種目では最高得点を叩き出す。リボンの軌跡が良く描かれておりDERの受けるタイミングも明確に見えた。クラブ13.900/リボン14.750
3位は柴山瑠莉子選手(イオン)。(アジア競技大会代表)
クラブはADを随所に取り入れ表現力豊かに演じる。演技中盤のバランス難度終末でバランスを崩し、その後ADで2回落下が生じた。
リボンは演技冒頭のDERを成功させ、曲調にあった振付とダンスステップコンビネーションで会場を魅了する。難度要素の実施が明確でありリボンの軌跡も十分に描かれていた。クラブ12.950、リボン14.200
4位は飯田由香選手(イオン)。(アジア競技大会代表)
両種目ともに長い手足を活かした伸びやかな演技を披露した。クラブではイリュージョン
中のADで落下、DERの受ける際にヒヤッとする場面があったが落下は免れた。リボンは
演技冒頭のADを成功させ最後まで大きなミスなく纏めた。もう少しリボンの操作に張りが
出てくると更に得点が伸びるのであろう。クラブ12.750/リボン13.800
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2018年1月にルールが変更になり、その後も更に変更が生じており、実施の評価については非常に厳しい判断基準で演技が評価されている。落下ミスのみならず、1つの難度要素の実施状況で幾つかの実施減点項目が課せられる。手具の扱いも減点項目が増えている。DERやADの実施での些細な移動や中断にも厳しい評価が行われている。演技に無駄は許されない。
世界選手権大会、アジア競技大会に向けて更に演技の精度を高め、表現力を磨き、東京オリンピックに向かっている日本の新体操をアピールして欲しい。