2018 新体操W杯ペサロ大会レポート1

報告者:山﨑浩子

現地4月13日、W杯ペサロ大会は個人総合前半と団体総合前半が行われた。日本からは団体にフェアリージャパンPOLA、個人に皆川夏穂が出場。(喜田純鈴はコンディション調整のため不参加)

​<団体総合前半フープ5>
​15ヵ国が参加した中、日本は試技順5番目に登場。
前半はキャッチの移動も少なく、非常に落ち着いた良い演技を繰り広げた。
しかし中盤の、胴体からフープを回し投げる交換で、フープがすべり、落下。
直後の2本投げの連係は1本投げに変更して対処したが、続くフープのくぐり抜けの連係で落下。ラストの4本投げも大きくなり、後半に乱れて14.200(D9.300 E4.900)。
ソフィア大会では19.800で銀メダルを獲得し、その後の練習でも好調さを維持していたが、ソフィア大会からペサロ大会までの間に投げる相手を変更したり、投げるコースを変更したりしているので、試合でうまくかみ合わなかった。
ここまで大きなミスをしたのは、ここ最近では見たことはないが、例年ペサロ大会では大きなミスをしており、それが意識を変えるチャンスにもなっている。
練習でノーミスを何本も出しているときこそ、集中しなければならないという教訓であろう。

明日のボール&ロープでどう立て直してくるかを見守りたい。

日本出場選手
松原梨恵
杉本早裕吏
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
織田莉子

前半1位は地元イタリア。
連係に少々乱れはあったが大きなミスはなく、21.200(D12.500、E8.700)という高得点をたたき出した。

2位はベラルーシ。
連係でのキャッチの移動はあったがうまくまとめた。
20.450(D12.700、E7.750)で、ベラルーシも20点超えを果たした。
ソフィア大会と出来はさほど変わっていないように思うが、ソフィア大会では
D1.D2(BD,ED,S 5.400)
D3.D4(R,C 6.200)
D 11.600
であった点数が今大会では
D1.D2(BD,ED,S 5.200)
D3.D4(R,C 7.500)
D 12.700
とD得点が1点以上も伸びている。特にD3.D4のリスクや連係の加算点は1.3の伸び。
審判団によってこうも違うのかと考えさせられた。

3位はロシア。
今回もナショナルチームではないが、大きなミスなく演技した。
19.100(D11.200、E7.900)

4位に中国。
連係が成立しない箇所や若干の移動キャッチはあったが、全体的にはうまくこなした。
18.400(D11.000、E7.400)

5位はフランス。
18.150(D11.000、E7.150)

6位はスペイン。
17.700(D10.100、E7.600)

7位はイスラエル。
17.400(D10.400、E7.000)

8位はアゼルバイジャン。
17.300(D11.100、E6.200)

日本は11位。
ウクライナは出だしの連係で落下すると、続く交換で落下。その後も落下が続き、前半が大きく乱れた。
13.700(D9.500、E4.200)で12位。

​明日は団体総合後半(ボール3&ロープ2)が行われる。

<個人総合前半フープ、ボール>
皆川はボールから。
BDの精度はソフィア大会よりずっと良く、ボールのころがしもなめらか。視野外手以外のキャッチを行わない箇所はあったが、全体的には伸びやかでクリアな演技をした。
17.100(D9.000、E8.100)

ボールと比較してフープは、不正確なキャッチが多かった。
ほかには出だしの足回しでフープが足からわずかに外れたことと、パンシェのバランスの後、バックルのバランスを行わなかったことが、気になる箇所であった。
バランス系のキープが足りず、BD等(身体難度3.9)、AD等(加算対象の手具操作4.5)でDが8.400。Eが7.950で16.350。
パンシェのバランスはさほど悪くないように見えたが、連続でバックルのバランスが入っているため、床に手をついたりする大減点を避けるための対処だったようである。
しかし、バックルのバランスは比較的点数が高いため、点数が低い方のバランスの難度を抜いてもバックルのバランスを入れるという対処ができるようになれば、BDの取りこぼしも減っていくであろう。
フィギュアスケートの選手がコンビネーションジャンプをやれなかったときに、別の場所にコンビネーションを入れてくるというような対処である。
これは練習の時から、そういった対処練習をしていなければできないが、少しでも点を取りに行くという試合のための練習ができてくれば、巧みな試合運びができると思われる。

52人が参加して、皆川は現在10位。

前半1位はロシアのDina AVERINA。
決して完璧な演技ではなく、移動キャッチやローテーションの跳び、ADの落下(バウンドでごまかす)などはあるが、構成上組み込まれている得点が高いため、1位の座はなかなか明け渡さない。
フープ19.200、ボール18.550

2位はイスラエルのASHRAM。
ASHRAMも、フープでの不正確な操作や、ボールのワンバウンドの落下はあったが、次々と技が入っているため、どちらも18点台の高得点。
フープ18.700、ボール18.150

3位はブルガリアのTASEVA。
大きなミスなく、フープ18.450、ボール17.450

4位はベラルーシのHALKINA。
バランスのキープが短い気がしたが、ボールでは流れるような美しい演技を行った。
フープ17.950、ボール17.800

5位はArina AVERINA。
どちらの種目にもミスが出て、フープ17.850、ボール16.800。
ロシア勢は、チャンピオンでなければならないというプレッシャーと戦っている。

6位はベラルーシのSALOS。
少々もたつきがあったが、全体的には流れがスムースであった。
フープ17.350、ボール17.200

7位にブルガリアのVLADINOVA、8位ウクライナのNIKOLCHENKO、9位USAのGRISKENAS、そして10位に皆川である。

皆川はソフィア大会より調子は上向きと思われるが、ミスが出やすい後半の種目をどう乗り切ることができるか、チャレンジしてほしい。

明日は後半種目のクラブ、リボンが行われる。

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