第70回全日本新体操選手権大会(女子レポート)1

報告者:

大会成績はこちら
10/27女子個人総合 前半2種目(フープ・ボール)、団体総合 フープ5
●個人総合前半
前半2種目を終えてトップに立ったのは立澤孝菜選手(イオン/国士舘大学)。
フープの演技では、関節可動域を十分に生かしたしなやかな動きで1つ1つ身体難度要素を正確に実施する。随所にAD(手具操作の加点要素)を取り入れながらも動きの繋ぎがスムースであった、大きなミスなく最後まで纏める。D8.000 E8,400 得点16.400
ボールでは演技中盤のパンシェローテーション難度でバランスを崩し難度は不成立。しかし、演技全体の出来栄えは良く演技終末のリスクもタイミング良くピタリとキャッチ。ボールも高得点をマークした。D7.400 E8.250 得点15.650。
2位につけているのは河崎羽珠愛選手(イオン/早稲田大学)。
ボールの演技はダンスステップコンビネーションからスタート。身体の動きに大きさと滑らかさが増し、ボールの操作がスムースであった。ローテーション難度が若干不明確であったが大きなミスなく演技を纏める。D7.200 E8.100 得点15.300。
フープでは演技冒頭のADを成功させ、1つ1つ丁寧に難度要素が行われた。音楽に乗って表現力豊かに演じる。演技終末のリスクでは後ろに投げてしまったが、すぐに反応し落下ミスは免れる。リスクは不成立であったが、日頃のトレーニングの積み重ねによって、瞬時に判断しミスを最小限に抑えられたのであろう。D7.500 E7.700 得点15.200。
暫定3位は大岩千未来選手(イオン)。
足の甲の高さは目を見張るものがあり1つ1つの難度要素の実施がとても正確で美しい。長い手足と関節可動域の広さを十分に生かし動きの繋ぎがスムースであった。手具を遠くで扱い、美しくしなやかに演じた。2種目ともに大きなミスなく纏める。
フープD7.000 E8.200 得点15.200
ボールD7.300 E7.950 得点15.250
明日はクラブとリボンの競技が行われる。
暫定上位の得点は非常に均衡しており試合の行方はまだまだ分からない。1つのミスが大きな減点に繋がるため、最終種目まで目が離せない戦いとなりそうだ。
●団体 フープ5
団体総合初日、1位につけたのは日本女子体育大学である。
会心の出来栄えであった。選手5名の同時性に優れ、動きに大きさを感じた。1つ1つの難度要素の実施が明確であった。次々と演技の中に組み込まれている工夫されたコラボレーションリスクと交換を移動なく行う。演技の繋ぎがスムースで、ほぼプログラム通りの演技をミスなく行い会場が沸いた。
D9.800 E7.200 得点17.000
2位につけたのは国士舘大学。
音楽に合った構成と豊かな表現力で観客を魅了した。徒手難度要素の実施は非常にクリアで明確に評価できる。バランスやローテーション難度中の踵の位置が高く、ステップでの移動の足運びも美しかった。工夫されたコラボレーションとコラボレーションリスクを次々と展開させ、ミスなく最後まで纏め熟練度を感じる演技であった。
D9.500 E7.100 得点16.600
3位は駒場学園高等学校。
1つ1つの難度要素が明確であり、5名の選手の息がピタリと合った演技であった。次々と展開されるコラボレーションを大きな移動なく成功させ、交換難度も安定していた。
計算されて加点要素が組み込まれているので難度の羅列には見えない。着実に得点を重ねDスコアは日本女子体育大学に継ぎ9.700を叩き出した。
D9.700 E6.600 得点16.300
4位 常葉大学附属常葉高校/静岡RG
5位 伊那西高校
6位 昭和学院高校
と高校生チームが大健闘である。
明日はアンサンブルが行われるが上位チームの得点は均衡している。
個人競技同様、1つのミスが大きな減点へと繋がるため試合の行方はまだわからない。明日はどのような試合展開になるのか非常に楽しみだ。