2017新体操チャレンジ杯スペイン大会レポート3
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【大会最終日】
新体操WCCグアダラハラ大会最終日は、個人・団体ともに種目別決勝が行われた。
《団体種目別決勝フープ》
試技順1番で登場したベラルーシは連係での移動や、リスクでのワンバウンドキャッチがあり、D9.700 E8.650 計18.350でまずまずの得点。
次に日本(フェアリージャパンPOLA)が登場した。
日本はほぼミスなくまとめ、エネルギーのある演技であった。
多少投げが乱れた箇所もあったが、対処も良かった。
得点はD10.000 E8.600 計18.600
E得点が8点台後半に乗ってきており、戦える状態となってきた。
試技順3番は中国。
連係での落下があり、D10.000 E7.700 計17.700
試技順4番はロシア。
交換などのキャッチの際に、フープの方辺が床にタッチするケースが見られ、最初からリズムが悪い感じであった。
どうにか持ちこたえていたが、ラストの交換で足キャッチができずに落下。D10.000 E7.700 計17.700
試技順5番のスイスはR(リスク=手具を投げ上げ、2回以上の回転を行ってキャッチ)の際、投げただけで回転がない選手がいてRが不成立。D8.100 E9.250 15.350
試技順6番フランス 大きなミスはなかったが全体的に荒い印象で D8.900 E7.550 16.450
6番まで終えて1位の日本は、ここでメダルが確定した。
そして試技順7番はウクライナ。
ジャンプに入る前に操作ミスでフープが床に転がった。
交換でも落下気味のキャッチがあり、D10.000 E8.350 18.350
ラストのUSAは14.600で、日本は金メダルを獲得した。
これまで金メダルを獲得したことがないわけではないが、会心の出来でのメダル獲得で、E得点も数段アップしたことは評価に値する。
1位日本
2位ベラルーシ
3位ウクライナ
出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
国井麻緒
竹中七海
鈴木歩佳
《団体種目別決勝ロープ&ボール》
試技順1番は地元スペイン。
転がってきたボールをジャンプしながらロープではじき飛ばすという難しい連係に挑んでおり、総合のときにはきれいに成功したが、種目別ではうまく飛ばずに落下。それが場外にまで転んでいき、ボールを予備手具と差し替えることに。しかし、差し替えるまでにも時間がかかったことから、いくつかの連係ができない状態となってしまった。
その後も交換や連係での落下があり、D4.800 E5.150 ライン減点0.300 計9.650
試技順2番は中国。
出だしの連係でロープをくぐるときに、ロープがうまく外れず、選手がロープにひっかかるような形となった。そこでリズムを崩し、エカルテのバランスで大きくばらついた。連係が不成立な箇所や落下などもあり、D7.900 E7.400 15.300
試技順3番はフランス。
交換や連係で落下があり D7.400 E5.400 12.200
そして試技順4番に日本が登場した。
昨日と同様、観客が伴奏音楽に合わせて歌ってくれるなど、盛り上がりを見せた。出だしの連係で若干の移動。交換や連係でも投げが少し乱れてあぶない箇所はあったが、落ち着いて対処した。全体を通じてエネルギーと執着心のある演技で、D10.000 E8.300 18.300
昨日は、良い出来であったにもかかわらずD得点が8.500という低い評価で、その理由をリサーチしたりしていたが、今日は10.000を獲得した。
1.500もアップした理由はわからないが、2種目とも18点台に乗せられたこと、そしてD得点が10.000に乗せられたことは大きな進歩である。
試技順5番はウクライナ。
交換での移動はあったが美しい演技で D9.900 E8.450 18.350
日本をわずかにかわした。
試技順6番はスイス。D8.300 E7.050 15.350。
試技順7番はロシア。これまでで1番エネルギーがあり、クリアな演技であった。ボールの片手受けは意外と難しいものであるが、随所に片手キャッチを入れており、すばらしい演技であった。D10.000 E8.850 18.850
試技順ラストはベラルーシ。
出だしからリズムが悪く、交換でロープを落下。ボールを渡す際にも落下があり、D9.200 E7.950 17.150
日本はロシア、ウクライナに次いで銅メダルを獲得した。
2種目とも表彰台に上ったのは初めてのことである。
《個人種目別決勝》
フープの種目に出場した皆川夏穂は、終始落ち着いていた。
ローテーションの回転数が物足りないが、全体を通して美しい演技で、つなぎのしなやかさもあり、17.050。
この種目はロシアのエカテリーナ、ベラルーシのハルナスコに次いで3位となり、皆川も自身初の表彰台となった。
リボンはRで投げすぎ、執着心を持ってキャッチしたが、落下と見られた感もある。また足を痛めているせいで難度を変更しているが、バランスのFIXも足りずに14.700。
まだ出来不出来にばらつきがあるが、今後も表彰台をめざしてがんばってほしい。
クラブに出場した喜田純鈴は前半のRで投げすぎたが、喜田も執着心を持ってキャッチした。しかし総合のときよりリズムが悪く、なんでもないところでクラブを落下。直後のAD(加点の可能性のある手具操作)でも落下してしまった。14.700
喜田は身体難度がしっかりと見えるし、今後動きのつなぎやADを確実に成功させていくことで成長を遂げていけるであろう。
日本は最終日に数字での結果を手にしたが、今後もメダル獲得を続けていくには、まだまだ精度を良くしていかなければならない。実施力のアップを図り、自分たちはやれるのだという自信と貪欲さで、絶えず表彰台を狙えるチーム・選手をめざしていきたい。