W杯ベラルーシ新体操国際レポート

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5月17日、W杯ベラルーシ新体操国際・ミンスク大会初日は団体総合が行われた。日本はプログラムの変更をするために不参加となったが、強豪ロシア、イタリアをはじめとした8ヶ国が参加した。
1位はロシア。
クラブは危うい箇所はいくつかあったが落下ミスは防ぎ、多彩な手具操作を見せつけた。 手具が手の中にある時間が非常に短く、次々と技を繰り広げる。春先の大会ではバタバタとした印象であったが、ヨーロッパ選手権を目前にして、ようやくまとまりをみせてきたようである。ボール&リボンも、キャッチの移動はあったが落下ミスはなく、2種目を通じてうまくまとめた。
2位はベラルーシ。
W杯ペサロ大会ではミスが相次ぎ、9位に沈んだが、今回は地元ということもあり、安定感が増していた。クラブでは、一人の選手が故障しているため、ジャンプターンが跳べないミスがあったのと、フェッテでの跳びがあるなど身体難度にミスが出たが、落下ミスはなかった。ボール&リボンは、交換でリボンが落下。しかし全体的にはエネルギーのある演技であった。
3位はイタリア。
クラブでは最初の連係にミスが出た。一本を落下したのであるが、それを拾わずに次の連係に移ったため、大きな乱れが生じた。後半でも4本投げを落下。その前の投げも大きくなり、回転を行わずにキャッチするなど、連係でのミスがあり、全体的にもエネルギッシュさに欠けた。ボール&リボンでも連係がうまくいかない箇所があり、リボンの端が場外するなどのミスがあった。選手が大幅に入れ替わっているため、いくらイタリアと言えども、安泰とは言えない状態である。
4位はアゼルバイジャン。
クラブは交換で2度の落下があって大きく乱れたが、Dは8.5。思いのほか、点数が伸びた。ボール&リボンでもバランスではかかとが上がらず、パンシェでも崩れる選手がいた。ラストも曲に合わないなどミスはあったが、得点は16点台に乗せた。
5位は中国。
クラブではキャッチの移動は少々あったが落下ミスはなく、安定感のある演技だった。 ボール&リボンは非常に工夫された連係を繰り広げていたが、終盤で落下ミス。会場からもため息がもれた。
6位はポーランド。
クラブは細かい操作での落下があった。ボール&リボンでは早い段階でリボンに結び目ができてしまった。それをほどくことができずに我慢しながら進めていたが、後半の交換でリボンを落下。最後までほどけずにポーズを迎えることとなった。
7位はブラジル。
クラブはサンバのリズムに乗りたいところであったが、交換で3度落下。連係でも落下した。ボール&リボンでもフェッテピボットでボールを落下。大きな得点源を失った。後半でも連係や受け渡しでボールをポロポロと落下した。
8位は韓国。
クラブは前半の連係で落下し、不正確なキャッチもいくつかあったが、Dの6.70は低すぎる。話によれば、申告書の書き方が悪く、一つの交換ごとに0.3の減点があったという。 ルール変更後、各国で解釈の違う場面があったり、講習されたものとは違う内容となっていたりしているが、実施された内容ではなく、申告書の間違いで減点されるのは忍びない。日本も正しい情報を入手し、こういったことがないように気をつけていかなければならない。ボール&リボンも連係の落下や交換の落下はあったが、Dの5.00はやはり低すぎる。この種目も同様のミスがあったということであろう。
団体総合ではロシアの強さがひときわ目立ったと言える。難しい内容をものにしてきたいま、王者ロシアの牙城を崩すのは容易ではない。
明日は個人総合に早川さくら、皆川夏穂が出場する。