第30回全日本ジュニア新体操選手権男子団体レポート

報告者:

Chacott CHAMPIONSHIPS第30回全日本ジュニア新体操選手権大会
男子団体レポート
■REX SPORTS CLUB
今回は西尾監督の母校である国士舘大学が、2001年 全日本選手権大会 団体で行った演技を改良(※監督は当時 光明学園相模原高校 所属)
タンブリングの名手であった監督の選手時代を彷彿とさせる伸びのあるタンブリングとその着地の「収め」が印象に残った。
まだ創部して数年の経験が浅いチームであるが今後の活躍に期待。
■国士舘ジュニアRG
名門 国士舘大学が2011年から創部したジュニア新体操クラブ
わずかな期間で関東ジュニアで団体優勝を果たして今回の全日本ジュニアに挑んだ。
かなり体格差の目立つチームであったが、演技が始まると その体格差が演技構成でうまくカバーされていた
演技も去年の全日本選手権で国士舘大学が使用していたものを使用。
私見であるが この演技は、去年 決勝の演技中に選手が故障して抜けてしまう事態が発生した。
それをジュニア選手が初出場の全日本ジュニアで演じきったことを感慨深く感じる。
■華舞翔新体操倶楽部
ジュニア世代の成長は目覚ましいものがあるが、今回 一番 去年との体格差を感じたチーム
演技内容も厚みと力強さが格段に上がっており、
水平バランス→後方ブリッジにて足をつかずに そのまま鹿倒立へ入るという
針の穴を通すような技を6人全員が見事成功させる。
■キューブ新体操
3つ子が2組という天文学的な格率の選手で構成されたチーム
非常にダンサンブルな動きを巧みに徒手の動きに織り交ぜた演技構成が特徴。
昨今 ダンサンブルな動きが流行っているが付け焼刃的なものが多い事が否めない
動きをモノにできていない選手がこれらを行うと演技が軽く雑なものに見えてしまうが
話題性に負けないくらいの実力でこれを演じきる。
■井原ジュニア新体操クラブ
4連覇を目指す井原ジュニア新体操クラブ
バランスでのふらつきによる着手と倒立での連覇を逃す。
ジュニアから見て高校生チームにあたる井原高校の
今年の演技構成をジュニア用にマイナーチェンジしたように見られる
常に上位に位置する井原高校の高難度な技を、
質をほとんど落とさずに6人のジュニアが安定して行なっている事に驚く。
■半田市立半田中学校
カッティングの効いたアコースティック・ギターの曲に合わせて6人が歯切れよくしなやかに舞う
第一タンブリングをミス無く終えると切ないヴァイオリンのメロディーが加わる
鹿倒立→上下肢→2段スタートタンブリング(伸身・伸身一回ひねり)とこなしていくも
同時スタートタンブリングで尻もちによる減点がひびき惜しくも3位
■恵庭R G クラブ
オブジェのような隊形からの出だし
水平バランスからの第一タンブリング
奥から正面に ロンダート・一回半ひねり・前宙
左正面から右奥に ロンダート・一回半ひねり・前転
左奥から右正面に
2名が ロンダート・バク転・伸身宙返り・切り返し前宙・前後開脚着地
2名の間を1名がロンダート・きりもみ
右奥から左正面に ロンダート・テンポ・バク転・バク転・伸身宙返り・切り返し前宙・前後開脚着地
特に きりもみを行った選手の鋭さ・空中姿勢・滞空時間
最後に前後開脚着地を行った選手のスピードと精度は圧巻
隊形移動→上下股→鹿倒立となり
鹿倒立への入り部分、近年 多くのチームで差別化が盛んになってきているが
この演技でも 直立→背倒立→倒立の流れの中で直立→背倒立の際
3名が背倒立の勢いをあえて後転へ持って行く事で隊形に変化が生まれアクセントとして非常に面白かった。
第二タンブリングからの組みへ、小柄な選手を4人で飛ばすと、その下を残りの1名が通過
飛ばされた選手の高さは今大会で一番高かった。
この勢いのまま最後まで演技を終え、得点は18.200で優勝
北海道の新体操人口の層は厚く、多くの名選手を輩出しているが
近年、全日本ジュニアでは常に上位にいながらもあと一歩で手が届かなかった優勝トロフィーを手にすることができた。
今回の優勝メンバーが進級しても高校生になるメンバーがいないため
来年の連覇も多いに期待が出来る。
■個人総合 上位3名
■団体優勝 恵庭R G クラブ
■団体準優勝 滝沢南中学校
■団体3位 半田市立半田中学校