イタリア新体操国際現地レポート2
現地3月26日、W杯ペサロ大会2日目は、団体総合リボン&フープが行われた。日本(フェアリージャパンPOLA)は試技順2番で登場。昨日と同じく、電光掲示板にJAPANと出た瞬間から大きな手拍子が巻き起こった。
前半は安定感のある演技であったが、大ジャンプからのリボン投げのキャッチの時、リボンが場外の床に触れ、ミックス交換でも投げがやや大きくなり、やはり場外の床にリボンが触れた。またもぐり回転のコンビネーションでリボンが不安定になったが、必死で落下を防ぎ、その後の対処も落ち着いていた。
全体的にはキャッチの移動が目立ったが落下ミスはなく、ミスを最小限に抑えることができ、また観客の温かな声援に応える演技ができたと言えよう。この種目は7位で、団体総合も予選9位から順位をひとつ上げ、8位入賞を果たした。特に芸術点で9点が出たことは成果のひとつで、実施ミスをなくしていくことで、26点台に乗せることもできるだろう。
ベラルーシはコサックピボットで一人が1回転しかできずに立ち上がり、落下ミスも出た。全体的にはばらつきのある演技であった。
スイスは2種目をある程度高いレベルでうまくまとめていたが、ブルガリアは少々迫力に欠けた。
イタリアは若干落下ミスがあったが、ボールと同じように他国の技プラス1で複雑な連係をこなしていた。
ロシアは序盤でフープにリボンの端がからまり、落下ミスも出た。バランスの難度時やピボットの難度時にも手具操作のミスが出て難度が見えづらかったが、底力で、この種目イタリアと同点となった。
昨日のボールでは落ち着いた演技で高得点を得たフランスは、幾度かもたつきが見えた。またラストの連係ではフープの投げが大きくそれ、結局そのフープを誰も処理しないまま、手具なしで演技を終えて、この種目11位。順位を5つも落としてしまった。
ドイツはフープの落下はあったものの、全体的にはエネルギーのある演技をして、この種目5位。ボールの10位から7位に順位を上げた。
イスラエルはボールの種目と同様に安定感のある演技を見せて、両種目とも26点台に。前日4位のブルガリアを抜いて4位となった。
アゼルバイジャンは個人競技の選手を入れて強化を図ったが、その選手がフェッテピボットで崩れ、途中から動きを止めた。また、しかジャンプターンも抜けたり、コサックジャンプターンもタイミングがバラバラになったりと、中盤以降ぐだぐだになり、前日は8位であったが10位に落ちてしまった。
ウクライナは最初からリボンに結び目ができ、パンシェターンがはまらずにやらない選手がいたり落下ミスがあったりとミスが重なり、14位に沈んだ。
中堅国の順位はその日の出来による。ミスが出れば順位をいくつも落とし、良ければいくつも上げることができる。それほど力はほぼ同じで、激しい入賞争いが続いている。
ベラルーシがこのまま精彩を欠けば、3位争いまで多くの国が食い込むことにもなり、ますます熱い戦いとなっていくことだろう。日本が上位争いをものにしていくためには投げの安定性が不可欠。とともに、利点である難度の精度を上げていくことで常に上位に位置することができるはずである。
明日27日は種目別決勝が行われ、日本はリボン&フープに出場する。
追記:団体総合のあと、オープニングセレモニーが行われた。そこでは、日本の地震、津波で大変な状況の中、日本選手の参加を喜ぶメッセージと、亡くなられた方に対して哀悼の意を表し、1分間の黙祷が捧げられた。セレモニーに参加していたフェアリージャパンPOLAのメンバーは涙し、国旗を振り、何度も何度もおじきして、世界各国から寄せられる温かな声援に応えた。
結果