第63回全日本新体操選手権3日目女子レポート
21日、第63回全日本新体操選手権大会の種目別決勝が行われた。
<個人競技>
個人競技ロープで優勝したのは、個人総合で初優勝した大貫友梨亜(東京女子体育大学OG)。細かいキャッチミスや操作ミスはあったが、スケールの大きさを感じさせてくれた。
2位は山口留奈(イオン)。
難度時にロープをうまくさばけない箇所があったが、全体的には難度のこなしも良く、バラエティに富んだ手具操作を見せた。
3位の三澤樹知(東京女子体育大学)は、ひとつひとつに力のこもった演技。多少の投げのコントロールミスはすばやく対処する順応性がある。
フープは個人総合2位の山口が制した。
山口、大貫ともに大きなミスはなかったが、難度の質が最後までよかった山口に対し、大貫は後半の難度が少々あいまいになってしまい、その差がわずかに出た形となった。
3位には小西夏生(イオン)が入った。キャッチに不安定な箇所があったが、難度のクオリティは良かった。
リハビリから復帰した日高は、ラストに、投げて4回前転に挑戦したが、わずかにフープに足が届かず落下。手具なしで終わると、床をたたいて悔しがり、手を合わせて観客に「申し訳ない」のポーズ。会場を沸かせた。
ボールも、自身、納得がいったであろう演技の山口が優勝。
大貫は最初からほぼ完璧な演技を見せ、難度のキレも良く、乗りに乗ったラストのリスクで落下。手具なしで終わってしまい、2位。そこまでは非常によい出来だっただけに、会場からは大きなため息がもれた。
3位には、ここでもミスなく演技した三澤が入った。
最終種目リボンは大貫が制した。ピボットで回転不足のところはあったが、スピード感、難度の精度、動きのキレなど、ハイレベルなものを見せた。
2位は山口。キャッチに不正確な箇所が出たが、ユニットのピボットをしっかり決めるなど、難度の正確性を見せつけた。
3位には、勢いのある演技を見せた穴久保璃子が入った。
4種目のうち、ロープとリボンを大貫が、フープとボールを山口が制したが、ふたりとも難度の精度が上がり、動きの幅も大きくなっていた。練習をしっかりこなした成果が出ており、他の選手たちに比べて、ラインの美しさや安定感が違ったように思う。
<団体競技>
団体競技種目別フープは、東京女子体育大学が、昨日とまったく同じ箇所でミス。またもや場外して次の難度まで響き、ミスを最小限に抑えた日本女子体育大学が制した。
リボン3&ロープ2は、東京女子体育大学が本来の力を発揮。最後の最後で優勝カップを手にした。
団体競技も個人競技も、ハイリスクな技を行っている昨今。ミスも出やすいし、そのときの減点も大きい。王者でもミスをすれば、その座を奪われる時代となった。それでも、みながより高みを目指している状況は喜ばしいことである。
それぞれにレベルアップした姿を見せてくれた今大会であるが、今後も世界を意識した挑戦をし続けてほしい。