沖縄インターハイ新体操競技レポート[個人]
去る8月7日から9日まで沖縄市体育館で表記大会が開催されました。本年3月の高校選抜大会は北海道で開催され、高校生の憧れの大会インターハイは沖縄と、選手たちは北から南の沖縄まで日本の広さを体感したに違いありません。沖縄は観光シーズンとあり大会参加の行程は旅行社の決めた日程に従うなどちょっと大変な面もあったようです。
初日は男女個人の試合が行われ、それぞれ経験と実力のある3年生の戦いになりました。男子は埼玉栄高校3年斉藤良輔選手、佐賀神崎清明の田原正樹選手、千葉袖ヶ浦高校の斉藤剛大選手、盛岡市立高校の横澤勇気選手、宮崎小林秀峰高校の朝留涼太選手の5人が、高校3年生としてインターハイ最後の試合を優勝で飾ろうとダイナミックに、また、時には女子選手なみのしなやかな動きを見せるなど迫力あふれる演技を披露してくれました。
その中で、唯一、高校1年生で出場の岐阜済美高校臼井優華選手が堂々2位に入りました。臼井選手はクラブの難しい投げ技に挑戦した際の落下ミスが影響し、2位となりましたが、若さあふれるパワフルな動きを見せる等来年が楽しみな選手です。
女子も上位3位までは昨年から頭角を現していた、千葉大宮高校の山口留奈選手、名経大市邨高校の杉本多賀江選手、藤村女子高校の田中美朱選手が予想通り入りました。
田中選手は、ボールの演技において持ち前の手具操作感覚を活かして、しなやかに、しかも高い難度に挑戦しながら上手くまとめ高い得点を獲得しましたが、リボンの演技ではリボンが体に絡む場面もあり3位となりました。そして2種目とも手堅くまとめた杉本選手が2位。優勝は、昨年の覇者山口選手でした。
山口選手は4月に世界選手権大会日本代表候補選手となり、8月1日までコントロールシリーズを合計4回受けていました。その意味で、このインターハイはその延長にある競技会だったかも知れません。ボール・リボン両種目とも高い難度とリスクに挑戦し、ボールは最後の投げ技のリスクで少し大きく投げてしまうミスがありました。また、リボンにおいてもリボン捌きの悪さ、受けミスなどあり残念でした。連戦の疲労もあったと思いますが、9月の本番の世界選手権大会では、山口選手の良さでもある難度の正確さ、ピボットの上手さや柔軟性を活かした演技で、世界選手権大会デビューを果たしてもらいたいと思います。
今回は5位になった進藤みのり選手は、一度、フェアリージャパンPOLAの一員に選ばれていましたが、チームを離れ、今回個人選手として復帰。ボールの演技では彼女のこれまでに培った能力を発揮し、優雅な音楽に合わせて大変素敵でしたが、リスクの場面でボールが場外に出るミスによって順位を大きく下げました。ただ、来年に繋がる試合になったと思います。
また、入賞した選手の中で矢崎ほの香選手は小柄ながら表現力があり魅力的な選手で、今後が楽しみな選手だと思います。その他、入賞はできませんでしたが、目に留った選手として、日ノ本学園の飯村玲美選手、鳥取西高校濱本春菜選手など練習の取り組み次第で今後おおいに期待できる選手になると思います。